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イランがイスラム最高指導者後継者はモジダバ・ハメネイ師と発表
イランは、3月9日(月)、先月死亡したハメネイ師の次男モジタバ・ハメネイ師(56)を、後継者に選出したと発表した。ハメネイ師が死亡してから9日目であった。このニュースは、日本を含め、世界でもトップで報じられている。
マジダバ師は、今まで表舞台にはほとんど出てこなかったが、故ハメネイ師の息子であると同時に、IRGC(イラン革命防衛隊)との緊密な関係があり、これまで裏で非常な影響力を強めていたと見られている。強力な反米保守派とみられている。
強制されてかどうかは不明だが、以下は、モジダバ師がイラン・イスラム最高指導者に選出されたことを喜ぶ大群衆の様子。
پخش خبر انتخاب سومین رهبر انقلاب اسلامی، آیتالله سید مجتبی خامنهای، در شبکه خبر صدا و سیمای جمهوری اسلامی ایران pic.twitter.com/JMdoBP5dNb
— SNN.ir | خبرگزاری دانشجو (@snntv_fa) March 8, 2026
一方で、テヘランの一角からは、「モジダバに死を」と叫ぶ声もあった。
People chanted “Death to Mojtaba” from their windows in Tehran’s Ekbatan neighborhood early Monday shortly before Iran's Assembly of Experts announced Mojtaba Khamenei as the country’s new supreme leader, according to a video shared on social media. pic.twitter.com/nEiM7x7AbM
— Iran International English (@IranIntl_En) March 8, 2026
www.timesofisrael.com/iran-names-khameneis-shadowy-hardline-son-mojtaba-as-new-supreme-leader/
トランプ大統領は、イランのリーダーが次に誰が立つのかは、アメリカが関与するべきだと述べており、マジダバ氏を支持する様子はない。イスラエルは、誰が立てられても、その人物は標的になると言っていた。
なお、マジダバ師の就任式は、前ハメネイ師の葬儀の後になるが、ハメネイ師の葬儀は、3月4日から3日間で行われる予定だったが、戦闘が厳しかったこともあり、延期とされた、これが終わる前にモジダバ師の就任式はないとみられる。いずれもまだ日程は未定である。
モジダバ・ハメネイ師登場でイランは前より強硬になる!?
モジダバ師はIRGCと深い繋がりがあり、聖書の視野に世界情勢を解説することで人気の高原剛一郎氏は、今回モジダバ師が最高指導者になったのは、88人の専門家会議が決めたからではなく、実際には、IRGCの圧力だったと語る。
高原氏は、今のイランを制してきたのは、実はIRGCだと語っている。IRGCは、ただの軍隊ではない。
イスラム革命の際に、ホメイニ師直属の親衛隊的な組織として立ち上げられ、以来、イランにおけるイスラムと革命のアイデンティティを維持する働きをしている膨大な組織である。軍だけでなく、政治、経済など、社会全体に深く関わっている。
高原氏は、IRGCは、かつてナチスが、警察とは別に立ち上げたゲシュタポのようなものだと解説していた。ゲシュタポは、ナチスに従わない者を監視し、摘発していた組織である。1月のイランでの反政府でもの際、デモに参加している人々を残虐に殺害し、投獄したのは、IRGCだった。
その残虐さから、アメリカは2019年に、続いてEUも今年1月にIRGCをテロ組織に指定した。
www.bbc.com/japanese/articles/ckgj8r2pprro
そのIRGCと密接なつながりがあるマジダバ師である。今後イスラエルとアメリカが、マジダバ師を排斥に出るかもしれないが、もしそうならなかった場合、前より、強硬なイスラム政権の登場になると懸念されている。
IRGC(イラン革命防衛隊)IRGC(イラン革命防衛隊)
今回、改めてIRGCを調べてみたが、今更ながら、IRGCの凄さを実感させられた。
イランの総人口は9299万人。その中で、IRGCの現役兵力は19万人以上。このうち陸軍15万人。海軍2万人(ホルムズ海峡担当)。空軍1万5000人(ミサイル担当)。コッズ部隊(海外にも出ていく精鋭部隊)5000人。
コッズとは、「アル・クッズ」に由来し、エルサレムを表しており、イスラエルを亡き者にすると言っているイランの本気度を表している。2020年にイラクのバグダッドでアメリカのドローン攻撃で暗殺されたスレイマニ長官は、この部隊の総司令官だった。
また、IRGCには、ボランティア準軍事組織(バシージ)がある。正確な数は不明だが、数十万人から数百万人とも言われている。社会に浸透している組織と言える。
イスラエルとアメリカは、武力で政府やIRGCを攻撃し、弱体化を図りながら、イラン国民自身が新しい政府を立ち上げるようを呼びかけている。
反政府のイラン人は、決して少なくない。しかし、今もまだ、政府転覆に出ていないのは、市民たちだけで、このIRGCに立ち向かうことはおよそ不可能なのだろう。
ではアメリカとイスラエルがIRGCと政権を打倒しなければならないということになるが、そのためには、空軍による攻撃だけでは無理で、いつかは陸軍が入らなければならない。
アラグチ外相は、「アメリカの地上軍がイランに入ってくるのを待っている」と言っていた。IRGCの陸軍(15万人)はほぼ無傷で残っている。イラン国内では米軍よりはるかに状況もわかっている。
イスラエル軍やアメリカの陸軍がイランに入っていけば、苦戦はさけられず、まさに泥沼の戦闘になるだろう。
www.cfr.org/backgrounders/irans-revolutionary-guards
石のひとりごと
モジダバ師は実際にはどんな人だろう。まだ本人の声も聞こえていない。どんな人物なのか。蓋をあけてみなければ、完全にはわからないというところだろうか。
しかし、最高指導者になった今、モジダバ師は、IRGCに指示できる唯一の人物である。
人の心をお見通しの主である。モジダバ師の心に恐怖と戦争を止める思いを与えてくださり、状況を一転させてくださるように祈る。主に不可能はない!
