今年6月に、イスラエルとアメリカが協力して、イランの核開発施設を攻撃してから5ヶ月になる今、イスラエルがイランを再攻撃するのではないかとの懸念が高まっている。
イスラエルとアメリカは、今年6月13日から12日間、イランの核施設への攻撃を断行した。この時、イランが、どこかに隠している高濃度ウランを取り上げることはしなかった。
しかし、それを核兵器にするための施設は全て破壊したとして、イランが核保有国になる危険性は、当分遠のいたと判断している。
しかし、イランは、その後9月に予定されていた、IAEAによる核濃縮施設への査察を受け入れなかった。

イランが今も保有する60%の高濃度ウランは、440.9キログラムである。これを90%にするのは容易で、イランが核兵器10個を製造することも理論上は、可能である。IAEAの査察を拒否する中、懸念が広がっていた。
こうした中、11月9日、ニューヨークタイムスは、イランが、弾道ミサイル数千発を急ピッチで増産していると報じた。
www.nytimes.com/2025/11/09/world/middleeast/iran-nuclear-program-israel.html
高度な迎撃能力を持つイスラエルでも、数千発のミサイルが一気に発射されたら、全部迎撃することは難しい。もし核弾頭がついたミサイルが迎撃をすりぬけて、イスラエル国内に着弾したら、想像を絶する被害を受けることになる。
これをイスラエルが黙ってみているはずはなく、イスラエルが再びイラン攻撃に出るのは時間の問題との懸念が高まっている。
このため、11月20日(木)、IAEAの理事国35カ国が、「イランは、“遅れることなく”、ただちに核濃縮施設への査察を受けるべきかどうかとの採択をとったところ、賛成19、反対3、棄権12で可決した。賛成は欧米諸国が中心で、反対は、ロシア、中国、ニジェールの3カ国である。

これに対し、イランのアラグチ外相は、IAEAへの信頼は失われたとして、具体的な合意がない限り、6月に攻撃された各施設への視察はありえないと発表した。
ミサイルに関するアメリカとの協議についても否定する考えを示した。
www.timesofisrael.com/iran-vows-to-block-foreign-access-to-bombed-nuclear-sites-unless-deal-reached/
