イスラエル領内着弾合計900発以上:ラマットガンで1人死亡イスラエル側死者計10人 :2021.5.16

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ガザとイスラエルとの本格的な戦闘は7日目に入った。ハマスは終わりなきほどにロケット弾を撃ち続けている。イスラエル軍によると、戦闘が始まって約1週間の間に、ガザから発射されたロケット弾の総数は2300発に上っている。

このうち380発がガザ地区内部に落下し、イスラエルに届いたもののうち、空き地に落ちると計算されたものを除いて、アイアンドームが撃墜したのは1000発。ということは、空き地に落下した分を含めて、イスラエル領内に着弾したのは、920発ということになる。

15日午後には、アシュケロン、アシュドド、スデロットなどガザ周囲と、テルアビブ地域、ヤッフォ、リション・レ・チオン、ラマット・ガン、バットヤム、ホロン、ペタフティクバ、ラマット・ハシャロンなどベングリオン空港周辺が攻撃を受けた。この日は、西岸地区の入植地を狙ったとみえ、エルサレム北部空き地にも着弾があった。

以下はアシュドドへの大規模な攻撃。「イマレ(お母さん)!」と叫んでいる女性の声がする。

この一連の攻撃で、2発が着弾したラマット・ガンの建物に直撃。ユダヤ人男性1人(55)が死亡した。この男性の家には防護ルームがなく、着弾したロケット弾から飛び出る鉄片が、家に突き抜けていたとのこと。この他にもこの地域で3発が、家屋や車両を直撃している。

ガザとの本格的な戦闘が始まってから7日目。イスラエル側の死者は、10 人。これほどのロケット弾を浴びて、死者数がこの数で抑えられていることは、奇跡と言ってもいいだろう。

www.ynetnews.com/article/HJQrJ1TOu

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以下は、テルアビブのビーチにいた人たちが、サイレンで逃げる様子。

<ネタニヤフ首相:戦闘を始めたのはハマス>

この攻撃の後、ネタニヤフ首相は、「こんな“ポグロム”(20世紀初頭のユダヤ人殺戮)を受け入れることはできない。と述べ、必要な限り攻撃を続けると述べた。

しかし、国際社会からイスラエルへの非難が高まっていることを受けてか、「今回の戦闘を開始した責任は、殺戮組織ハマスにある。先に攻撃してきたのはハマスであり、我々ではない。」と述べた。また、「意図的に市民を狙っているハマスとは違い、イスラエルは、市民を巻き添えにしないよう、全力を尽くしており、攻撃はテロスリトたちに集中させている。」と強調している。

www.timesofisrael.com/netanyahu-gaza-operation-is-just-and-moral-a-few-days-of-fighting-are-ahead/

この後、ハマスは、15日深夜から攻撃を再開すると言っていたが、その通り、15日深夜(日本時間朝6時)から、同じ地域へのロケット弾を撃ち込んできた。

ガザ市民は、電気が不足し、今もコロナの感染に苦しんでいる。難民への支援を海外から要求するかたわら、これだけのロケット弾を作る資金はあったということである。

<イスラエルがガザのハマス総司令官ヤヒヤ・シンワル宅を空爆か>

ハマスがテルアビブへの激しい攻撃を行ったことを受けて、イスラエ軍は、ガザ南部カンユニス難民キャンプにいるハマストップ、ヤヒヤ・シンワルの自宅と、その弟ムハンマドの自宅を空爆したと発表した。シンワルが死亡したかどうかは不明。

www.timesofisrael.com/heavy-rocket-fire-hits-center-south-hamas-leaders-home-targeted-in-iaf-strike/

イスラエルは、ガザの再占領を望んでいない。そうなると後片付けが必要になるからである。そのため、徹底的にハマスを壊滅に追いこまず、なんとか、折り合いをつけながら、平穏を保とうとしてきたのであった。しかし、今は、ハマスを壊滅させるしかないとの意見も出始めている。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。