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イスラエル軍は、6月23日(月)、戦闘機50機以上でテヘランを攻撃。約2時間の間に、複数の標的に、100個の爆弾を投下する大規模な攻撃を行っていた。テヘランに膨大な煙が上がる様子が報じられている。
この攻撃で標的となったのは、IRGCの中央司令室、悪名高いエビン刑務所の入り口、「イスラエル滅亡2040年までの終末時計」だった。
テヘランへの攻撃:政権軍事基盤と象徴を破壊
1)IRGCの国内治安中央司令室などへの空爆で数百人死亡か
イスラエル軍の50以上の戦闘機は、テヘランのIRGC(イラン革命防衛隊)の中枢的存在バシルの中央司令室、ミサイル製造工場、ミサイル貯蔵所、レーダーシステムなどへの攻撃を行った。
バシルは、IRGCの中心的存在であり、イラン政権の元で、イスラムの規制を守らない市民を摘発していた部署である。ちょうどナチスのゲシュタポのような存在かもしれない。
加えて、テヘラン州の治安を守る特殊警察のような部隊の中枢も破壊した。他にもこのような中枢的な部署への攻撃を実施していた。
攻撃で相当な数の死者が出ていると思われるが、確かな数字は出ていない。これはイラン政権の軍事力、政治力にも大打撃になったと予想されている。
2)エビン刑務所入り口破壊で受刑者解放
また、イスラエル軍は、エビン刑務所の入り口を空爆。結果的に刑務所は解放された。この刑務所は、反政府勢力、西側とのつながりで政治犯とされる人々、ジャーナリスト、学者など、外国人も入れられてきた刑務所で、45年もの間、恐ろしい拷問や処刑など非常に悪名高い刑務所である。
受刑者は数百人いるとみられているが、この攻撃による死傷者は報告されていない。
Evin Prison’s gate has been blown open—by the IDF.
The regime’s most feared symbol of repression—hit.
For 45 years, political prisoners and Iran’s greatest minds have been tortured, silenced, and murdered there.Today, that gate fell.
The Islamic Republic is cracking.
Let it… pic.twitter.com/7ZKbug0P3N— Matthew Nouriel (@MatthewNouriel) June 23, 2025
3)イスラエル滅亡時計の破壊

テヘランには、パレスチナ・スクエアがあり、そこに、イスラエルの滅亡は2040年として、その日を数える終末時計が置かれていた。
この時計は、2017年に設置されていたものである。英語とヘブライ語でも「イスラエルの滅亡までの時間」と表示している。
イスラエル軍は、今回の空爆でこれを破壊した。
www.ynetnews.com/article/b1b3rr8ngg
フォルドーー核施設への通路破壊

イスラエル軍は、テヘランへの大規模な攻撃を行うと同時に、アメリカがバンカーバスターで攻撃していた核施設フォルドーへの攻撃も行っていた。
イスラエルが攻撃したのは、そのアクセスルートである。
イランが、核開発施設再建のために、ここから残っている機材を出さないようにするためであった。
イランのイスラエルへの反撃・弾道ミサイル攻撃40分続く
イスラエル軍がこれらの攻撃をしていた23日(月)午前11時ごろ、イスラエル中北部、南部に向けて弾道ミサイル6-7発を、約40分の間に4波で発射した。40分の間、サイレンが鳴り続けたということである。
この間、ガザ国境、レバノン国境住民含め、数百万人のイスラエル人たちが、シェルターに留まった。1発が南部のエネルギー施設に着弾し、停電となったが一時的だったとのこと。
さらにまた1時間後に、またその2時間後にもサイレンが鳴ったが、いずれも迎撃できていた。一連の攻撃で、死傷者は出ていない。
なかなか苦しい日々だが、イスラエル人は、なかなかの一致と抵抗力を見せていると言われている。
目標は数日以内に達成するとネタニヤフ首相
ネタニヤフ首相は、イスラエルの滅亡を狙うイランの脅威を排斥するという目標は、ここ数日の間に達成するとの見通しを表明していた。目標とは、イランが、イスラエル存続の脅威ではなくなることである。
したがって、イランが攻撃を続ける限り、イスラエルは攻撃を続ける。延々と消耗戦を続ける気はなく、できるだけ早く目標を達成させるつもりである。
アメリカのメディアWSJは、ネタニヤフ首相は、イスラエルは、アメリカによるイランの核施設攻撃の影響を最大限にするため、戦争をできるだけ早く終わらせようとしているとも書いている。
www.timesofisrael.com/israel-said-to-convey-message-to-iran-it-is-looking-to-end-war-within-days/
今回の攻撃で、イスラエルの最後時計が世界に明らかにされ、イランが、イスラエルの滅亡を考えていたこと、なぜイスラエルが、今回ここまで計画準備し、先制攻撃に踏み切ったのか、世界に明らかになったことを期待したい。
石のひとりごと:イランが先かイスラエルが先か
アメリカがイランの核施設を破壊した今、イランが米軍施設を攻撃するか、アメリカ国内外でテロが発生する懸念も出ている。
全世界はイランによるホルムズ海峡封鎖で、甚大な経済的損害の懸念に震え上がっている。
NYTは、世界が急ぎ沈静化を目指す中、イスラエルがこれほどに大規模で、イラン政権を怒らせるような、テヘランへの攻撃をしたというような伝え方をしていた。
今の所、イランには降参する様子はない。今、イランが、アメリカへの攻撃や、ホルムズ海峡の封鎖を含む反撃に出るのが先か、イスラエルが、それをするだけのイランの力をたたくのが先か、というところだろうか。イスラエルが先になる方を祈る。
