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食糧配布センターでのカオス続く:85人死亡か
ガザ情勢は混乱を極めている。特にGHFの食糧配布センターでは、毎日にように混乱の中で多数の死者が出ている。ハマスは、7月20日(日)、GHF周辺での混乱の中、イスラエル軍の銃撃85人が死亡したと発表した。
イスラエルはこの数字は誇張した数字だとしながらも、イスラエル軍に危機が迫った中で、市民に発砲して何人かは死亡したことは認めている。
この翌日、7月21日(月)、イスラエル軍は、ガザの複数地点への本格的な地上戦を含む激しい攻撃を開始した。
ガザ南西部デイル・アル・バラへ地上戦開始:ガザへの水道施設に危機
イスラエル軍は、7月20日(日)、ガザ中東部のデイル・アル・バラにいる避難民(5-8万人)に対し、南部の人道避難地域アルマワシへ移動するよう警告を出した。
アルマワシには、すでに60万人以上の避難民がテント生活をしており、もう入る余地はないとみられており、そこへ5-8万人が移動できたかどうかは不明である。
しかし、警告の翌日21日(月)朝、イスラエルの地上軍は、デイル・アル・バラへの突入を開始した。
ここには、ガザ地域に1日66万ガロンの飲み水を供給する、重要な淡水化施設があり、もしこの施設が破壊された場合、ガザに甚大な人道的被害が発生する危険性がある。
国連報道官ステファン・デュジャリック氏によると、7月初旬の時点で、ガザの淡水化施設は80%が、イスラエルの管理下に入っており、ガザの家族の93%が、水道水への自由なアクセスを失っているとのこと。
こうした中で、さらにデイル・アル・バラの淡水化施設が破壊されたら、ガザ市民の水事情はさらに悪化すると警告している。
しかし、こう言う場所だからこそ、ここに、ハマスの要所があり、人質もいるとみられている。ハマスは、もし地上軍が侵入してきたら、人質を殺すと言っていた。
このため、イスラエルは、これまで、空爆はしてきたが、地上軍が入ったことはなかった。今回が初めてである。淡水化施設への懸念と、人質家族たちは、今生存している人質も殺されるのではないかと不安を募らせている。
これまでのところ、デイル・アル・バラでは、パレスチナ人2人が死亡したと報じられている。
また、ガザ保健省(ハマス)は、ガザ市西部のシャティ難民キャンプでは、イスラエル軍の空爆で、16人が死亡したと報じている。
周辺地域でも戦闘:イスラエル兵2人死亡
デイル・アル・バラへの攻撃を開始したイスラエル軍は、同時に複数の地点でも地上軍が本格的な攻撃を行っている。ハンユニスでは、イスラエル兵1人が死亡した。
死亡したのは、アミット・コーヘン二等軍曹(19)、でイスラエル軍が設置した爆弾が爆発した、つまりは事故での死亡だった可能性が高いとされている。もう一人が重傷とのこと。
また、ラファでは、ウラジミール・ローザ上級軍曹(36)が死亡。仕掛けられていた爆弾の遠隔操作で死亡したとみられている。
www.timesofisrael.com/liveblog_entry/idf-reservist-soldier-killed-in-south-gaza-fighting/
なお、イスラエルが、ガザへの攻撃を拡大している中、この同じ21日(月)、欧米25カ国が、ガザの人道状況が、新たなレベルに達したとして、イスラエルに直ちに攻撃を止めるよう、共同声明を発表していた。
今後、国際的な批判が、イスラエルに集中していく可能性が懸念されている。
