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ハマスがまたイスラエル兵殺害:イスラエルは反撃でガザ市攻撃
10月28日(火)夕方、イスラエル軍が、ガザ市への大規模な空爆を行った。ハマスはこの攻撃で、少なくとも30人が死亡(メディアによっては、50ー60人)。数十人が負傷したと発表。
世界中に停戦崩壊の懸念が報じられ、イスラエルへの非難が高まっている。
しかし、イスラエル軍によると、この数時間前、ガザ南部ラファに駐留するイスラエル軍が、ハマスによる銃撃を受け、重機を担当していた、ヨナ・エフライム・フェルドバウム軍曹(予備役)(37)が死亡していた。
ハマスによるテロ攻撃でイスラエル兵が死亡するのは、先週2人が殺害されたのに続いて3人目になる。フェルドマン軍曹は、妻があり、小さな子供5人の父親だった。
ハマスが遺体発見を演出
また、ハマスは、先週21日(火)を最後に、遺体の引き渡しを行なっていない。
27日(月)夜に引き渡してきた遺体の一部は、残っている13人の遺体ではなく、イスラエル軍自身が、2023年12月にガザで回収したオフィル・ツアルファティさんの遺体の一部であることがわかった。

ハマスは、オフィルさんを埋めたあと、新たに発見したかのようなふりをして発掘し、赤十字に見せるという演出まで行なっていた。
遺体への敬意がなく、遺族の心を引き裂くような、悪質きわまりない合意違反である。(別記事詳細参照)
赤十字もこの件については非難を表明している。
ガザへの攻撃について、イスラエルは、すぐにコメントしなかったが、後に、首相官邸が、ハマスの合意違反が度重なってきたことから、ネタニヤフ首相が治安閣議を招集し、ガザで即時かつ強力な攻撃を行うよう指示したことを明らかにした。
カッツ国防相は、「ハマスは本日、イスラエル軍兵士を攻撃するという、(停戦中に)超えてはならない一線を超えた。ハマスは、兵士への攻撃と人質遺体の返還合意違反に対し、何倍もの代償を払うことになるだろう」と語った。
ザミール参謀総長も、「ハマスの停戦合意違反に、イスラエルが沈黙することはない」と表明した。
しかし、アメリカの圧力か、その後、イスラエルは、今回も停戦継続を宣言した。
ハマスが慌てて遺体2人を“発見した”として今夜引き渡すと発表
イスラエルの本気の怒りを受けて、ハマスは、人質の遺体2人の“発掘に成功した”として、今夜引き渡すと発表した。
遺体発見の演出をしたハマスのいうことをもはや信じることはできないだろう。イスラエルは、ハマスは遺体13人のうち、9人の場所は把握しているのに、時間稼ぎをしていると訴えていた。今回の遺体発見の演出は、それを証明したようなものである。
www.timesofisrael.com/liveblog_entry/hamas-says-it-managed-to-retrieve-2-bodies-of-hostages-today/
アメリカはどうする?停戦に問題なしとトランプ大統領
先週、イスラエルは、兵士2人がハマスに殺害された後、ガザへの反撃を行ったが、アメリカの圧力で、ただちに停戦に戻ったとみられている。
今週また、イスラエルがガザを攻撃する事態になると、ヴァンス米副大統領が、ただちに停戦は今も続いていると強調する声明を出した。今回、イスラエルはガザ市への攻撃を決定した後、アメリカに通知していたとのこと。

東京を訪問中だったトランプ大統領は、「ハマスが、イスラエル兵を殺害したのだから、イスラエル軍は反撃すべきだ」と語り、それが停戦を脅かすものではないとの考えを語った。
しかし、イスラエルに対して、過度な反応は避けるよう伝えたとも伝えられている。
一方、ハマスに対しては、「ハマスは小さい組織であり、今ガザでの停戦を守ろうとするアメリカと、中東・世界の国々前で、行儀良くしておくべきだ」と警告するようなコメントを出した。
www.timesofisrael.com/vance-downplays-israel-hamas-flareup-argues-gaza-ceasefire-is-holding/
