イスラエル生まれパレスチナ人インフルエンサーのナス・デイリー:日本でパレスチナ解放デモに直面 2024.10.17

Nuseir Yassin in his Nas Daily T-shirt. (photo credit: Wikimedia Commons)

イスラエル生まれのアラブ人で、自らをパレスチナ人と自己紹介する超人気のインフルエンサー、ナス・デイリー。本名、ヌセイル・ヤシン氏は、イスラエルとパレスチナ、ユダヤ教とイスラム教、両者に敬意を払う立場を表明している。

そのヤシン氏が、最近、日本をポジティブに紹介している。また、日本において、インターネットを介する新たなビジネスNas I.Oを開始し、参加者を募っている。

日本の若い世代が、よい影響と、すばらしい機会を得ることができると思われるので、感謝なことである。

ナス・デイリーが1分で日本を紹介する、数多いユーチューブクリップの一つ

ところが、14日の祭日に行われた、このナス・デイリーの新しいビジネスの関係づくりのイベントに、「フリー・パレスタイン(パレスチナに自由を)」を掲げる数人のデモ隊が来て、デモ行動に出た。

アラブ人?らしき女性が叫んでおり、日本人らしき女性が日本語のプラカードを掲げている。その前にイベントの参加者か、大勢の日本人が座っている。

ヤシン氏は、アラブ人であり、パレスチナ人だと言っているのだが、デモ隊は、イスラエル人と見たのか、「ナス・デイリーは、イスラエルのプロバガンダ・マシーンだ」などと非難している。

ヤシン氏は、その後Xにこの件と映像をアップした。そこに映っているヤシン氏はにこにこしており、怒りどころか、「とうとう来た!!」と何度も言いながら、逆にこれを面白く伝えている。

Xには、次のように書いている。「フリー・パレスタインが、初めてナス・デイリーの関係作りイベントに来たことをお知らせすることにエキサイトしている。

彼らには、パレスチナを自由に。それには私も同感だと伝えた。パレスチナ人がハマスから解放されること。テロから解放されること。過激な宗教から解放されることだ。

デモ隊は私に同意しなかった。彼らが望んでいるのは、ただユダヤ人からの解放だけだった。なんとまあ。。」

www.jpost.com/diaspora/article-824890

石のひとりごと

日本でこんなことがあったと世界中に知られる結果になってしまった。

それにしても、ヤシンさんの言っていることがどうしてわからないのかと思う。パレスチナ人を苦しめているのは、ハマスであり、過激なテロ組織であって、イスラエルではない。

ヤシンさんは、イスラエル生まれのパレスチナ人だが、かなりの成功者である。イスラエルは、ヤシンさんのビジネスを妨害していない。自由(フリー)であることは確かである。テロさえしないなら、イスラエル人の多くはパレスチナ人とのビジネスも望むところなのである。

ヤシンさんの最後の、Oh Well…に同感の思いである。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。