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国際司法裁判所で、イスラエルがガザでジェノサイド(民族浄化)を行っているという提訴が行われ、公聴会が今日から2日間行われる。
しかし、現状をみれば、イスラエルを抹殺(ジェノサイド)しようとしているのは、ハマスの方であり、イスラエルではない。世界は全く逆方向に進んでいる。
イスラエル軍と政府は、ハマスが何者か、なぜイスラエルがハマスと戦っているのか、世界は理解すべきだとして、その現状をインターネットにアップした。
イスラエル軍と政府が公開する10月7日の暴力の真相
10月7日、ハマスに虐殺されたイスラエル市民は1200人。朝の日の光の元で虐殺され、240人が人質として連れて行かれた。
ハマスは、イスラエル市民を拷問し、虐殺した際、それをビデオに撮影し、記録し、SNSにアップしていた。あまりにも残虐なので、それらを押収したイスラエルは、これまで、友好国の政治家たちや、メディア関係者にのみ開示し、記事にしてもらう方針をとっていた。
以下のユーチューブは、イスラエル軍がアップしたもの。遺体にはボカシが入っているが、道路に転がる様子や、血まみれの様子、車中で焼き尽くされ、苦悩の表情が分かる遺体などの様子が見える。*5分・非常に残虐なので要注意
「私たちは、10月7日の恐怖を絶対忘れない。世界も忘れるべきでない。」と締めくくっている。
また、イスラエル政府は、ボカシすらない写真やビデオを集めたサイト「ハマスの虐殺・人類に対する犯罪の記録」を公表した。
写真には、頭と顔が半分潰されている顔、体に穴が開いている、顔が潰れている、両手を後ろで縛られて拷問されたとみられる遺体、まっ黒こげになった遺体の山、血まみれになって死んでいるイスラエル兵など、写真とビデオもそのままがアップされている。
既に死んでいるとみられるイスラエル兵の遺体を車から引き摺り出し、踏みつけながら「アラー・アクバル」と叫ぶハマスの集団のビデオもある。現場にいたイスラエル人犠牲者たちがスマホで撮った映像などもそのままアップされている。*先のビデオよりも残虐な写真・映像なので要注意
レイプを武器に使う非人間的な残虐性
今回、特にイスラエルが問題視するのは、ハマスが、イスラエル人女性に対して行っていた性的虐待である。侵攻に参加して逮捕されたパレスチナ人によると、女性はレイプするよう指示されていたことが分かっている。
さらにハマスは、女性を集団でレイプした後、首や四肢を切断するだけでなく、乳房や性器の切断ということまでやっていた。人質から解放された人々が、目の前で隣にいた女性に、ハマスらのしていたことを目撃したという衝撃的な証言をしている他、ニューヨークタイムスがこれを特集として発表した。
1)NYTの記事:恐怖のレイプ・殺人の様相
NYTは、残された映像や写真、携帯データと、関係する150人へのインタビューを行った。それによると、女性が被害を受けた地域は7ヶ所。
残されていた遺体は半裸で、足が広げられていて、レイプされた後、殺されたとみられる女性の遺体が30体確認されていた。太ももと鼠径部に釘が打ち込まれていた遺体もあったという。女性イスラエル兵二人は膣に銃撃の後があった。
負傷して隠れていて、何人もの女性がレイプされながら、ナイフで何度も刺され、そのまま胸を切り取られるなどの様子を目撃した人もいる。レイプされ続けて顔を切り取られた人もいた。記事は延々とこうした記録を綴っている。
覚えなければならないことは、こうした恐ろしい暴行が、太陽が上っている午前中、日の光の中で行われたということである。目撃者は、文字通り全部見ている。今も眠れない状況にあるという。
記事は特に音楽フェスに参加していて被災したアブドゥシュさんについて記録している。夫と引き裂かれたあと、アブドゥシュさんは、別の所で、レイプされたとみえ、半裸状態で殺されているのが発見されていた。
性被害は本人や家族に深い傷を残す。記事は、祖父母たちに孫が、「お母さんはどんなふうに死んだの」と聞かれるというところで終わっている。
痛みは、残された家族にもずっと付いて回ることになる。
www.nytimes.com/2023/12/28/world/middleeast/oct-7-attacks-hamas-israel-sexual-violence.html
これほどの女性虐待であるにも関わらず、国連は一切動いていないということである。
*55日目に解放されたミア・シェムさん(21)の証言: まだガザにいる人質を思うと深い罪意識と涙
ガザで55日間人質となり、釈放されたミア・シャムさんが、約ひと月後に、自分が経験したことをテレビ放送で証言した。ガザでの経験を、ホロコーストを生き延びたという表現で語っている。
ミアさんは、ガザ国境での音楽フェスティバルに、親友エリアさんと行っていて被災した。エリアさんは殺され、自分は、腕を撃たれる大怪我をしてガザへ連行された。ミアさんは、ハマスがガザから人質の証言者としてビデオに映っていた一人である。
ガザでは、テロリストの自宅の窓もない部屋に閉じ込められていた。食事は時々。レイプされることを一番恐れていたが、幸い、テロリストの妻もいる家での監禁だったためか、その難は逃れたとのこと。
しかし、テロリストの妻は意地悪で、その子供も、飴の袋を開いて欲しい?といいながらやって来て、一つも出さないで袋を閉めて出て行くという悪を呈していたという。
とにかく生きたいという思いで、神に祈っていたとミアさん。テロリストの家のテレビニュースに、母が映った一瞬の顔をみて元気が出たとのこと。
解放の数日前に深く、暗く、空気もないようなトンネルに連れて行かれ、そこで他のイスラエル人の人質数人に会った。イスラエル人に会ってよかったが、同時に、皆が希望を失っていたので、ポジティブな思いを維持するのが難しかったと表情を暗くした。
解放された後、今も人質として残されている人のことを思うと、自分が解放されたことに罪意識を感じると、苦しそうに泣いていた。母親によると、夜十分に眠れず、痙攣発作を起こすこともあるという。ミアさんは、解放後から、体と心のリハビリを続けている。このインタビューのあとひと月になるので、もう少し回復していればと思う。
ガザ民間人もハマスと同じだったという証言
被災者の証言はまだまだある。しかし、印象に残っていることは、10月7日の虐殺で生き残った人々、また解放された人質たちが、「ガザの民間人がハマス戦闘員に混じっていた」と言う点である。
民間人が、ハマスと同じように犯罪を平気で行っていたことにショックを受けたという声を何人からも聞く。
ネタニヤフ首相が言うように、ガザでは民間人といえども、ハマスの影響を受けているので、ハマスを解体しても、市民たちの過激になったメンタリティを変えることが必要だということである。
ユダヤ教でも困惑:歴史上類をみない残虐な死をどう扱うのか
こうした遺体はあまりにも残虐で、ユダヤ教としてもその死をどう扱うのか、新たな局面であったと、イスラエル軍で、特に戦死者に関することを担当する著名なラビ・ヤアコブ・ルーザは語っている。
ラビ・ルーザ(79)は、10月7日の残虐な虐殺を受けて、イスラエル軍から徴兵を受けた。犠牲者の遺体をどうするかなどを担当するためである。
ユダヤ教では、神が体に息を吹き入れて命があると考えている。いつ死を確定するのか、それはラビが判断することになる。ユダヤ人は歴史的にも残虐な目に遭って来ているので、ユダヤ教では、あらゆる死に方の遺体を律法にかなった葬りをする用意があるという。
しかし、今回のハマスの残虐な殺し方は、あまりにも酷く、過去の例からだけでは対処できなかったとラビは語っている。
また、遺体が黒焦げになっていたり、切断された手足しかないなどで、身元確認にDNA検査が行われることがあった。ユダヤ教では、DNAによる判定を、9.11以降、ようやく認めることとなったが、まだ、そういう科学的な方法での本人と死の確認には、違和感があったようである。
またユダヤ教では、個人の威厳を守るために、すばやく葬るのが通常だが、今回は、身元が分からないので長期間冷蔵庫に遺体を保管しなければならなかった。
しかし、ユダヤ教では、人の死が確定したら、その日から7日間、家族は「シバ」という喪に服す期間を持つことになっている。
こうした状況では、いつシバに入ったらいいのか家族はおろか、ラビも判断に困るということである。
また人質になって以降に殺された人の場合、死んでいるようだが、遺体がないという状況にある。
ラビ・ルーザは、死亡が確認できたら、シバに入るよう勧めているが、家族によっては、遺体に会うまではまだシバはしたくないという人もいる。
ラビ・ルーザは、その判断は家族に任せていると語っている。
石のひとりごと
ここまで読んでくださる読者はいるかどうか分からないが、自分の理解のため、また、日本語で記録に残すため、少しでもイスラエルの立場を理解する助けになればと思い、記事にした。
それにしても、これほどの道を通っているのに、イスラエルは、国際社会からガザを攻撃していると責められ、このハマスと停戦するよう圧力を掛けられているということである。
ハマスこそ大犯罪者であり、責められるべき、裁かれる位置にあるということがなぜ分からないのだろうか。
今、イスラエルを理解する国は、ほぼない。アメリカすらも微妙になっている。その思いが、今、イスラエル人たちの心に、ずっしりと大きな痛みとなっている。
しかし、イスラエルはそれで恨みに縛られることはできないので、たとえ孤立したとしても、生き残るために戦い続けるだろう。ちょうど、ミアさんが、生きたいという願いで、神に祈って生き延びたようにである。
しかし、10月7日は、ユダヤ教のシムハット・トーラーという例祭の日であったことからも、ユダヤ人を殺すとともに、その神への信仰も抹殺しようとしたナチス、ヒトラーの時のような要素も見え隠れする。この背景に、イスラエルという聖書の神を証しする国を抹殺しようとする、サタンの背景は否定できないだろう。
同時に、ミアさんの証言の冒頭にあるように、260人虐殺されたという最も大きな被害を受けた音楽フェスが、インドにルーツを置き、仏像もある中で、踊りまくるイベントであったことにも目が止まらざるをえない。
このフェスに参加していたミアさんは、人質になり、生きたいという思いの中で、イスラエルの神、主に祈り、助かったのは主のおかげだと言っていた。この事件から、イスラエル人の多くが、神に立ち返っているという報告も聞く。
すべては主の主権の中にある。そして、この主がイスラエルを見捨てることはない。
私たち、特に聖書を信じるクリスチャンや教会が、世界の流れに流されて、イスラエルを非難し、ハマスの影響下にあるパレスチナ側に立つことは、絶対に避けなければならないと思う。