イスラエルには、現在、外務大臣が不在で、ネタニヤフ首相が兼任という形になっている。
しかし、今週は、リーバーマン国防相が、ワシントンを訪問。アメリカのイスラエルへの軍事支援に関する協議を行っている他、リブリン大統領が、ブリュッセルのEU本部へ公式訪問を行い、ドナルド・タスクEU大統領と会談した。
1)リーバーマン国防相、初のアメリカ訪問
リーバーマン国防相は、今回、2018年に期限切れを迎えるアメリカからイスラエルへの軍事支援協定の更新について話し合うために訪米した。更新となれば、年間30億ドル(3000億円以上)の支援額である。
アメリカ政府は極右とも言われるリーバーマン氏が国防省になったことで、現政権は本当に2国家2民族を達成しようとしているのか疑問だとのコメントを出していた。今回、リーバーマン国防相は、アメリカのアシュトン・カーター防衛相と会談している。
www.haaretz.com/israel-news/1.726106
2)リブリン大統領、初のEU訪問
EUは現在、フランスの国際平和会議の延長で、イスラエルとパレスチナの和平交渉に乗り出している。しかし、イスラエルは、これを拒否している。タスク大統領は、リブリン大統領に対し、「中東和平はEUのトッププライオリティ」であると強調した。
リブリン大統領は、「EUとイスラエルは、紛争問題以外での関係は継続すべきだ。」と訴えた。
リブリン大統領は、明日水曜、EU議会で演説する予定で、木曜にはパレスチナ自治政府のアッバス議長が演説することになっている。このタイミングで、リブリン大統領とアッバス議長が対面する可能性もあると報じられている。
*イギリスはEUを離脱するか?
別件になるが、木曜、イギリスでは、EUに加盟国(現在28カ国)として残留するかどうかの国民投票が行われる。もしイギリスがEUから離脱すると決めた場合、ギリシャなど、ドミノ倒し的に国々が離脱する可能性もある。そうなると、EUに大きな変化が訪れることになる。
ただし、キャメロン首相は、国民に対し、EUにとどまる方がイギリスには得策だと訴えており、とどまる可能性が高いとみられる。なお、EU離脱賛成派は、主に難民の流入を避けたいという思惑から離脱を望んでいるようである。