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ビル崩壊の原因はハマスのRPG(携帯型対戦車砲)
22日、午後4時ごろ、ガザ中部のイスラエルとの国境近くで、ビル2棟が崩壊し、イスラエルの予備役兵21人が死亡した件について。
当初は、友軍による砲撃が仕掛けた爆弾に当たったことが原因である可能性が高いと伝えられていた。以前にも同様の事故が発生していたためである。
しかし、詳しい調査の結果、原因は、ハマスのRPG(携帯型対戦車砲)が原因であったことが分かった。
事件発生時、イスラエル軍部隊は、イスラエルとの国境から600メートルの地点にあった、2階建の2棟のビルを破壊しようとしていた。
南部地域の住民が安心して帰宅できるよう、ガザとの間に緩衝地帯(障害物がなく完全な見通しを得る)を設立するため、周辺を一掃する作戦を進めていたのである。
破壊のため、部隊がビル内外に爆弾を十分に仕掛けたところで、まだイスラエル部隊が中にいるうちに、ハマスがまず作業の安全を守る戦車にRPGを発射し、2人が死亡。続いてビルに向けてRPGを発射。それが爆発を誘発させてビルが倒壊し、まだ中にいたイスラエル兵19人が下敷きとなった。
現場は、まるで地震の後のようになり、大人数のイスラエル軍部隊と消防要員も駆けつけて、下敷きになった兵士らの救出にあたったが、すでに全員が死亡していた。
イスラエル軍のハレヴィ参謀総長は声明を発表。21人は、南部市民が帰宅できるように働いていたと述べ、ここで安心して暮らせるよう、戦い続けると述べた。
事件後、イスラエル軍は、ハン・ユニスをほぼ包囲し、ハマスをさらに追い詰める作戦を続けている。その中で、これまで発見した武器製造工場よりさらに大きい、これまでで最大とみられる武器工場とそこに続くトンネルを発見したとの報告がなされている。
悲しみの葬儀:ヘルツェルの丘
今回死亡した21人は、ほとんどが予備役兵だった。それぞれの家族、人生がある中で、兵役に出て家族を置いて永遠に去って行ったことになる。
1歳の女の子の父親や、ガザでの戦争が終わったら、長い間付き合っていた女性にプロポーズすると言っていた兵士もいた。それぞれの世界、またそれぞれの家族の世界が破壊されたことになる。
ユダヤ教では死亡から埋葬が早いので、エルサレムのヘルツェルの丘はじめ、各地で、深い悲しみの葬儀が行われた。ヘルツェルの丘での葬儀はほぼ1時間ごとだったという。
石のひとりごと
上記の葬儀の映像は、今回のもので11時間前にAFPがアップしたものである。
しかし、ユーチューブには、同じようなクリップがたくさん上がっており、どれも同じような悲しみの風景なので、どれが今回のものか、1か月前のものか、3か月前のものか、日付をよく確認する必要があった。
イスラエルは、常に戦争に囲まれている国なのだと改めてその厳しさを思わされた。