イスラエル・UAE合意:パレスチナ自治政府の反応 2020.8.14

イスラエルとUAEがアメリカの仲介で、国交樹立への合意にいたったことについて、サイード王子は、イスラエルに西岸地区の合併を棚上げさせ、アラブの大義を維持できたので、この合意に至ったと述べた。

すると、パレスチナ自治政府の報道官アブ・ルデイナー氏は、「パレスチナ人を言い訳に利用して、イスラエルと合意した。」と反発。いかなる国もパレスチナの問題を利用するべきではない。」と述べた。

パレスチナ自治政府とUAEはここ数年、あまり良い関係にはなかったこともあり、UAEのこの言い方が、パレスチナ人にはおおいに反発になったようである。

木曜、この合意が発表されると、パレスチナ人のSNSでは、「新しいナクバ(破壊)だ」、「シオニスト・エミレーツ」とか、「犬たち」「裏切り者」といっ他言葉がSNSで飛び交った。

www.jpost.com/middle-east/abu-dhabis-crown-prince-says-uae-israel-deal-will-halt-annexation-638546

Times of Israelによると、パレスチナ自治政府は、この合意を賞賛したアブダビ、エジプト、バハレーン、サウジアラビアに派遣している代表を呼び戻したとのこと。

ルデイナー氏は、パレスチナ自治政府は、アラブ同盟とイスラム団体に緊急の会議を開催し、この合意を反故にするよう求めると述べた。アッバス議長とハマスの政治部門イシュマエル・ハニエ指導者は、この問題について電話による協議を行ったとのこと。ガザのハマスとイスラム聖戦はこの合意を認めないとしている。

www.timesofisrael.com/a-despicable-betrayal-pa-blasts-emirates-demands-retraction-of-israel-deal/

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。