イスラエルはシリア問題について、いっさいのコメントを控えている。しかし、イスラエルとしては、アメリカが効果的にシリアを攻撃することを希望している。
もし今、アメリカがシリアを攻撃しなければ、イランが国際社会の無力を見て、遠慮なく核兵器の開発を進めるからである。ヒズボラや、アルカイダなど危険なテロ組織も、活動を活発化させるだろう。ちょうど警察がいない状態になると考えたらよい。
これまで沈黙を守ってきたAIPAC(アメリカ・イスラエル共同のユダヤ人政治団体)だが、アメリカ議会(下院)では、まだシリア攻撃に反対する意見が多いことを受けて、シリア攻撃を促すロビー活動をはじめた。
<敵はイスラエルには手をだせない:ネタニヤフ首相>
アメリカがシリアを攻撃すれば、シリアだけでなくヒズボラなどが、イスラエルを攻撃する可能性がある。しかしネタニヤフ首相は、万全の防衛準備は整えたと言っている。
イスラエルは、これまでにヒズボラに搬送されようとする武器がまだシリア領内にあるうちに攻撃。ロシアのS300の一部と見られるものが搬入されようとする軍港を空爆したとみられている。
”アメリカと違って”イスラエルは、「イスラエルの治安を脅かす者には、確実に報復する。むしろイスラエルへの攻撃が実行される前、まだ国外に脅威があるうちに処理する。」という明確なメッセージを発信してきたのである。
ネタニヤフ首相は「敵は、『イスラエルを攻撃してはならない。』ということを非常によくわかっているはずだ。」と言っている。
<石のひとりごと>
来週、アメリカがシリアを攻撃することは避けられない状況になってきた。オバマ大統領の決断力の弱さ、議会の承認に持ち込んだことなど、批判する意見が多いが、もう後ろを振り返っても仕方がない。
攻撃を実行するなら、必ず、あざやかに成功したと世界が認める結果になるよう、とりなしが必要だ。
これから特にオバマ大統領、アメリカ空軍、フランス軍、またイスラエルのネタニヤフ首相、ヤアロン国防相、ガンツ参謀総長、シリア内部にいる諜報部員たちを覚えて真剣なとりなしが必要である。
また、戦争になった場合、シリア側からの反撃で、まきこまれる可能性のある国は、トルコ、ヨルダン、レバノン、イスラエルである。