イスラエルの軍と政府は一致と強調:酷暑の中イスラエル軍作戦継続 2025.8.16

IDF troops operate in the Zeitoun neighborhood of Gaza City, in a handout photo issued on August 15, 2025. (Israel Defense Forces)

カッツ国防相とザミール参謀総長:政府と軍に分断なく完全に一致と強調

Defense Minister Israel Katz, IDF Chief of Staff Lt. Gen. Eyal Zamir and other military and defense officials meet at Katz’s office in Tel Aviv, August 14, 2025. (Shira Keinan/Defense Ministry)

イスラエル軍のザミール参謀総長は、ガザ全域の制覇には反対の立場を表明していた。このため、軍と政府の間に分断があると、懸念が広がっていた。

しかし、8月7日(木)、イスラエル軍軍事大学の総長の交代式において、ザミール参謀総長とカッツ国防相が、共に同じ考えであり、軍と政府は、完全に一致しているという共同声明を出した。

これに先立ち、カッツ国防相は、「イスラエルは、ガザのハマスを打倒し、すべての人質を解放し、戦争を終わらせる」との決意を改めて表明していた。

ザミール参謀総長は、「勝利を達成する鍵は、互いの信頼と、完全な協力だ。戦場での勝利は、軍事力だけで達成できるものではない。互いの一致が必要だ。これがあってのみ、勝利を得ることができるのであり、戦後の回復力にもつながる」と述べた。

ザミール参謀総長とカッツ国防相は、ガザでの軍の配置や、作戦について議論したとみられている。

www.timesofisrael.com/after-public-spat-katz-and-idf-chief-meet-vow-to-act-as-one-fist-on-gaza-city-plan/

ガザでのイスラエル軍:ガザ市郊外への攻撃・トンネルにはコンクリでの封鎖作戦

酷暑が続く中、イスラエル軍は、ガザでの作戦を継続している。8月15日(金)、ガザ南部ベイト・ハヌーンで、ハマスの地下トンネル約7キロを発見。これに2万m2のコンクリが流し込み、完全に使用不可とした。

このトンネルには、イスラエル国境にまで続く、4.5キロの補給パイプラインがつながっており、これも完全に破壊した。これにより、ベイトハヌーンのハマスは敗亡したと判断された。

トンネルは、破壊するより、コンクリを流し込んで封鎖する方が、安全でかつ安価だと言っている。

www.israelnationalnews.com/news/413344

今、焦点になっているガザ市の制覇だが、8月15日(金)、イスラエル軍は、ガザ市郊外ゼイトゥーンへの攻撃を実施。武器庫などハマス関連地点数十ヶ所を破壊。テロ工作員20人を殺害した。

作戦の中で、時限爆弾が配備されている建物も破壊したとのこと。地域住民には、戦闘に先立ち、避難警告を発していた。

Times of Israelによると、ゼイトゥーンへの攻撃を担当したのは、第99師団と、ナハル歩兵旅団、第7機甲部隊(戦車隊)で、明確な担当の元で作戦を実施していた。

たとえば、第7旅団は、対戦車砲に対処。ナハル旅団は、ハマスのインフラ一掃とそれに伴う戦闘でハマス工作員を殺害。第99砲兵連隊は地上部隊を援護射撃。空軍も空からの援護攻撃を行った。このような協力体制の元で、作戦が行われていた。

www.timesofisrael.com/in-fresh-offensive-on-gaza-city-outskirts-idf-says-dozens-of-terror-targets-destroyed/

*イスラエル軍の酷暑対策

今週は、イスラエルでも40度越えの記録破りの酷暑だった。ガザでは、発電機とポータブルエアコンが供給され、兵士が寝泊まりするテントに配備していた。

www.timesofisrael.com/liveblog_entry/idf-establishes-team-to-help-troops-suffering-from-record-heat-wave/

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。