イスラエルには、ユダヤ人移住者が増え続けている。最大はフランスで、今年は昨年の118%にのぼる7500人、次にウクライナで7100人、ロシア6300人、アメリカ2900人となっている。今年末までに、昨年から16%増の計3万人が来る予定である。
フランスでは、反ユダヤ主義が悪化しているが、中南米では、殺人など犯罪による治安の悪さからもイスラエルへ移住するユダヤ人が増えている。
今週もフランスからの新移民50人が到着し、空港でハヌカのろうそくをともした後に、それぞれの居住地へと向って行った。
イスラエルの建国以来、世界各国からおおむね300万人がこの小さなイスラエルに移住した。これはまさに奇跡以上のものであり、確かに聖書が約束した通りである。
www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/201982#.Vmsq2KUWnA8
しかし、移住した後は、夢物語ではない。あらゆる人種、文化が入り交じり、新しい言語、高い家賃、物価、それにテロも兵役もある。
Yネットによると、2000年から2013年の間にイスラエルで4806人が自殺したが、そのうち3分の1が新移民だという。データは国会の調査委員会が提出したものである。
新移民で自殺した人のうち77.9%は旧ソ連圏出身者で、16.6%がエチオピア出身者だった。フランスやアメリカなど先進国出身者は、すでに家族か友人がイスラエルに来ている場合が多く、定着もしやすそうだが、こちらの場合は、すすんだ便利な生活から不便になじむのに苦戦しているようである。
www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4737244,00.html
余談になるが、日本は、世界有数の自殺大国で、毎年3万人以上が自殺している。特に自衛隊内部での自殺の割合が多い事は、これまでからも指摘されている。
自衛隊内部でのいじめやパワハラが原因だが、海外派兵による自殺者もかなり出ているようである。
2003年から2009年まで、イラクに派遣された自衛隊員9310人のうち、29人が自殺。その前の2001-2007年のインド洋派遣では、25人が自殺していたと朝日新聞が報じていた。
価値観の全く違う国の間を移動することは、人間に大きな負担を与えるということである。
www.asahi.com/articles/ASH5W6KG8H5WUTFK01M.html
それにしても、同じ自衛隊内で同胞の兵士をいじめて自殺に追い込んだり、後方での人道支援だけで最前線には行かなかったのにこれほどの自殺者が出ていたことに、少々懸念を覚えた。我々は平和になじみすぎて、外に敵がいるということを忘れているのかもしれない。
イスラエル軍の中でも自殺者出る。大きな作戦の前には心理的な準備が行われ、その後もケアのシステムがある。たとえ遺体になっても、命がけで同胞をとりもどしに行くイスラエル軍の同胞意識。戦場と日常を行き来してなお、心の平常を維持している姿を見ると、イスラエル軍の強さは、兵力だけではないと思わされる。
外国から来た移民者が、すぐには、タフなイスラエル人にはなれないのも当然ともいえるだろう。