2月に新ネタニヤフ政権が、発足したとき、外務大臣になるはずだった、アビグドル・リーバーマン氏。17年に及ぶ様々な汚職疑惑、特に昨年10月に起訴された一件で、外務大臣の任務に就くことができなかった。
ネタニヤフ首相は、自らのリクード党と、リーバーマン氏率いる「イスラエル・ベイテイヌ(イスラエルが我が家)党」とを合体させて新党にし、現政権を立ち上げたという経過がある。
そのため、リーバーマン氏の判決が出るまで自らが外務相を兼任し、同氏の判決を待っていたのである。その判決が7日朝、「無罪」と確定された。
ネタニヤフ首相は最高裁のこの判決を歓迎し、7日朝には、さっそくリーバーマン氏に祝辞を述べている。外務相への就任は、来週早々にも国会で承認されるみこみ。
リーバーマン氏は、朝のうちに嘆きの壁に行って神に感謝の祈りを捧げている。
<ロシア系の大物>
アビグドル・リーバーマン氏はロシア出身で右派。様々な容疑で過去17年も調査されてきた政治家で、今回無罪が確定されたとはいえ、まだ他にもくすぶるものは残っているという。「ロシア系マフィア」ともうわさされる人物。
イスラエルにいる5人に1人のロシア系ユダヤ人はこぞってリーバーマン氏を支持するため、大きな力を持っている。
外務相復帰の今、ポスト・ネタニヤフ、次期首相の座を狙っているとの分析もある。
反アラブ的な発言はかなり直接的で、ひんしゅくを買うこともしばしば。しかし、「確かにそうともいえる・・」とひそかに、同意する市民も少なくないようである。
しかし、以前リーバーマン氏の元で副外務相を務めたダニ・アヤロン氏が、「外務相としてはどうかと思う。」と評するなど、リーバーマン氏の復帰を懸念する声も大きい。