イスラエルの仮庵の祭り:クリスチャン(ICEJ)の仮庵も70カ国から2000人以上入国 2022.10.10

2021年の様子 Western wall

仮庵でにぎわうエルサレム

イスラエルだけでなく、世界のユダヤ人たちも9日の日没から仮庵の祭りを始めた。聖書のレビ記23章に書かれた神の指示に従い、家の前やベランダなどに、スッカと呼ばれる仮の古屋のようなものを建てて、その中で過ごし、出エジプトの時の神の導きと祝福を思い返す祭りである。

コロナの影響ももうほとんどなくなり、エルサレムでは例祭前の買い物で市場は賑わっているようである。

*仮庵の祭り「絶体絶命の中で神の守りと最終ゴールを思う」

 

Sukkoth in Kfar Etzyon, Gush Etzyon, Israel.סוכות בכפר עציון, גוש עציון, ישראל

かつてイスラエルの神、主は、最強のエジプト軍を前に、紅海を分けてイスラエル人たちをエジプトから救出し、その後も荒野の道中を見守り続けてくださった。

最強のシェルターではなく、どこからでも攻撃されうる古屋で過ごすということは、まさに、天地を支配しておられる神、主に信頼するということを告白するとともに、主とのより親密な、ちょうど新婚旅行のような日々と味わうという意味もある。

ユダヤ人たちは、この仮庵の祭りの前にあった新年(9月25日)から、この1年の間の罪を悔い改め(スリホット)て、謝罪すべきは謝罪して、互いの和解する。そうして、ヨム・キプール(大贖罪日・10月4日)の日に、贖いが完成されたとして、神にゆるされ、神との関係の回復と新たな関係の出発する。以下は、スリホットに嘆きの壁に集まった大群衆の様子。*ユダヤ教は太陰暦なので、例祭の日程は、太陽暦のカレンダーとは、毎年違う日になる

仮庵の祭りは、創造された地球とその中に住む全ての者にとってのプロセスを経てのゴール地点という感じである。この秋に来る例祭は、終末の時代におこる地球が滅亡するほどの大患難時代の中で、神、主に信頼して歩み、死んでも生きても、その後にくる救い主、メシアに救われて、千年王国の時代、その後の永遠の天で神の近くですごす日々が来ると、預言していると考えられている。これはユダヤ教、キリスト教(すべての宗派ではない)にも共通する考え方である。

*4種の植物

仮庵の祭りには、4種の植物を祭司とされる人々が、神の前に4方向で振りかざすが、その4種とは、柳の枝、マートルの枝、ルラブ(なつめやしの葉)、エトログ(木の実)となっている。それぞれ、実も香りもない、葉があっても実はない、派があっても香りがない、最後に実も香りもある木の実いうことである。

社会には、このすべての人々がいるのであって、必ずしも全員が、成功者でなければならない、そうでなければ神に受け入れられないということではないというのが、ユダヤ教の考え方である。このため、祭司は、この多様な社会を象徴するかのように、この4種を持って、前後ろ、右左を神のまえに振りかざすのである。

新約聖書は、自身もユダヤ人であったイエス・キリストと、ユダヤ教からキリストを信じたイスラエル人の弟子たちのことが書いてあるので、基本的な考え方が、ユダヤ教に基づいている場合が多い。多様な社会を基盤に新約聖書には以下のように書いてある。

私たち力のある者は、力のない人たちの弱さをになうべきです。自分を喜ばせるべきではありません。(ローマ書15:1)

クリスチャンの仮庵の祭り:70カ国から2000人以上がイスラエル入り

今年もICEJ(International Christian Embassy Jerusalem)が開催するFeast of Tabernacleが、9日から16日まで行われている。今年は、70カ国から2000人以上が、イスラエル入りして、各地の観光地を回る。

イスラエルにとっての霊的な祝福と共に、国内旅行業にとって大きな収入源としても、祝福になる。

feast.icej.org

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。