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ハマス人質解放延期で停戦放棄すべきか否か:揉めるイスラエル国内
期限は2月15日(土)正午ートランプ大統領が、ハマスに対し、「人質全員をこの時間までに解放しないなら、イスラエルは激しい攻撃を再開するだろう。ガザは地獄になる。」と爆弾発言を落としてから、イスラエルとハマスの間の脅しと交渉の駆け引きが続いている。
トランプ発言の後、ネタニヤフ首相は、防衛閣議を行い、4時間の協議の後、イスラエルは、トランプ大統領の発言を歓迎すると発表。15日(土)正午までに、人質76人全員を解放しないなら、攻撃を再開すると発表した。
しかし、このネタニヤフ首相の表明のわずか15分後、安全保障閣議は、トランプ大統領の声明を、“部分的”に受けいれたと、ネタニヤフ首相の声明と矛盾する声明を出した。
しばらく揉めていたが、しかし、またすぐ、15日正午までに、76人の人質全員を解放しないなら、戦争再開だと、ネタニヤフ首相と同じ内容の声明を出した。
カッツ防衛相は、イスラエル軍は攻撃に転じる準備を開始した。これに対し、ハマスは、指導者たちに携帯の使用を止めるようにとの指示を出したとの情報が出た。ヒズボラのポケベルのように、一斉に爆発する可能性を恐れたとみられる。
ハマスは新たに生きている人質3人(合計10人)を提示する心理作戦
トランプ発言の後、ハマスは、新たに人質3人がまだ生きているという情報を家族に送りつけてきた。これにより、ガザでは生きているとわかった人質は10人になった。(写真)
イスラエルに、大規模な攻撃を思い止まらせようとする、ハマスの心理作戦の様相である。
www.timesofisrael.com/signs-of-life-received-in-recent-days-for-at-least-9-hostages-held-in-gaza/
ハマスのアブ・サミ・ズヒ報道官は、「ハマスはトランプ声明を恐れていない。人質を全部、解放することはない。」と述べた。また、アラブ諸国はすべてこれに反対しているとして、世界の親パレスチナ勢力に対して今、立ち上がるよう呼びかけた。
www.ynetnews.com/article/b1quhy9t1x
その後、ネタニヤフ首相は、少なくとも人質9人(第一段階で解放される予定の17人のうち生存していると考えられている人の数)を釈放するなら停戦は継続すると、条件を緩和する声明を出した。
さらにその後、当初の予定通り、人質3人を釈放するなら停戦の継続はありうるとハマスに伝えたとの情報が出ている。
今後、ハマスはどう出るのか。期限の15日(土)まであと3日を切っている。人質とガザの人々の命が天秤にかかっている交渉が続いている。
なお、最新のニュースでは、ハマスが予定通り、15日には人質3人を解放すると言っているとのこと。