イスラエルでコロナ第5波要注意?:実効再生産数1超える 2021.11.24

ベングリオン空港 スクリーンショット

ツアーグループ入国開始も・・

イスラエルが、11月1日からワクチン接種済みなど条件つきで外国人観光客の受け入れを開始したことはお伝えしている通りである。ベングリオン空港では、スーツケースをもって出入りする人々が列をなしている様子も伝えられている。

知人現地ガイドは、死海に近いマサダの駐車場に、大型観光バスが4台とまっていたと苦笑していた。かつて、入るだけでも時間がかかるほど大混雑であったスポットである。

ホロコースト記念館ヤド・バシェムのガイドたちは、今年に入ってからたった3グループだと嘆く会話が交わされていた。今、ようやく、今日はドイツ人グループが来るというような話が出始めている。

このように、ようやくトンネルの向こうが見え始めた感じではあるが、まだトンネルを出たわけではない。ヨーロッパでは、感染が急拡大しており、行動制限を再開させる動きもある。イスラエルでも、感染者数が、若干増える傾向が出はじめている。

最新保健省データ(23日)

3回目ブースター接種を終えた人は405万人(総人口の45%)
2回の接種を終えた人は576万人
1回目までを入れると627万人 *ワクチン未接種者72万人(10月初頭)

新規感染者711人(陽性率0.76%/検査数99822件)*21日452人
重症者 128人(呼吸器82人、エクモ30人)*1ヶ月前は300人
死者(過去7日) 16人

実効再生産数(1を超えると感染拡大に転じるとされるR値)1.04

datadashboard.health.gov.il/COVID-19/general?utm_source=go.gov.il&utm_medium=referral

傾向分析と対策

これまでは、新たな感染者は約半数が、まだワクチン接種を受けていない11歳以下の子供で、大人も入れると、感染者の83%がワクチン未接種者で、死者・重症者数は増えていないことから、政府は、新たな感染拡大だとパニックになる必要はないとの見方であった。

しかし、R値が確実にあがってきていることから、ベネット首相は23日、2ヶ月ぶりになるコロナ閣議を開催。現在のコロナ担当専門家ザルカ教授は、第5波に備える必要があると警告した。

ベネット首相は、来週28日から始まるハヌカの例祭中、大きな集会やイベントについては制限をかけることや、ハヌカ休日を終えて学校に戻る子供達に抗原検査を行う可能性を示唆している。

www.timesofisrael.com/bennett-said-to-warn-of-possible-curbs-over-hanukkah-as-covid-case-numbers-rise/

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。