8日、シナイ半島のイスラエルとの国境、ガザに近いラファのエジプト側で、イスラエルへむけて発射準備をしていたミサイル発射地点が攻撃され、聖戦主義グループとみられる戦闘員が、少なくとも4人が死亡した。
これについて、エジプトの治安筋が、イスラエルのドローン(無人軍用機)の攻撃だったとロイターに伝えたため、当初そういう形での報道となった。
しかし、後になり、攻撃にはエジプト軍がイスラエルに協力していたとか、シナイ半島の聖戦グループが否定するなど様々なところから、いろいろな情報がでてきて、実際の経過は不明である。この間、当のイスラエルは、コメントを控え、しらんぷりをつづけた。
しかし、もし本当にイスラエルが攻撃していたとしたら、1979年のエジプトとの和平条約に反してイスラエルがエジプト領内を攻撃したことになる。明らかな条約違反になり、両国の関係に深刻な影を落とすことになる。
10日になり、イスラエルのヤアロン国防相が、「イスラエルはエジプトの主権を尊重している。うわさ話で和平条約をおびやかすことは許さない。」との公式発表を行った。
しかし、8日にはエイラットの空港を一時閉鎖しており、この攻撃との関連を否定できないことも事実である。いずれにしても、シナイ半島での聖戦主義グループの活動が活発になっており、イスラエルにとっては危険名状況でであることには変わりはない。