イスラエル軍は、4日、ガムズ・コロナ長官の元、コロナ対策拠点として、アロン・コロナ司令センターをイスラエル中央、ラムラ付近に立ち上げた。
目標は、陽性者を探し出し、これを隔離しながら、36時間にさかのぼる疫学的調査を行って感染経路を断つことである。具体的には、冬が来る前に、現在の陽性率8%を3%まで減らすことを目標にする。そのために、まず検査結果が出るまで5日近くかかっているのを1日半にすることをめざす。
同時に検査、追跡、分析などに貢献する2000人の兵士が、ここから全国に派遣され、軍の技術力(携帯ライン使用)でデータをセンターへ集約、分析していく。プライバシーの侵害が問題とされるが、コハビ参謀総長は、情報が外に漏れることはないと強調する。
しかし、厳しい軍のシステムにより、自粛を命じられた人は7月中40万人に上り、その中には間違いもあったとのことで、今後も問題が発生することは避けられないだろう。
この他、これまで各地との連絡が不十分であった点を改善するため、各地域の国内安全担当官とともに疫学的な調査を進めていくとしている。コロナ司令センターのウリ・ゴールディン大佐は、「大事なのは見える化だ。市民に常に最新で明らかな情報を提示し、作戦を理解してもらうことだ。」と語っている。
ガムズ長官によると、感染経路遮断に成功している台湾、シンガポール、韓国の手法に学んだとのこと。
一石二鳥なのは、ここで働くイスラエル兵は、通常の兵士だけでなく、すでに退官しているが、コロナの影響で、働き口がなくなってしまった兵士たちを集めて、国の職員にしたとのこと。
www.ynetnews.com/article/BkmJ0ZvWD
<イスラエル感染現状:新規感染者1000人台に>
昨日の時点での新規感染者は1768人。死者は15人増えて561人。今現在感染しているとされる人は、2万5803人。重症は341人、人工呼吸器使用者は100人である。(World meter) 重症者、死者は増えているが、新規感染者は、若干減少傾向。
<週末ロックダウン中止へ:エデルステイン保健相>
エデルステイン保健相は、これまで2週間、週末だけの部分ロックダウンを行ってきたが、これを中止すると発表した。これによる効果はほとんどなく、国民をイラつかせただけであったと述べた。実際のことろ、政府の支持に従わず、閉店しなかった店舗も少なくなかったという。
しかし、病院ではぎりぎりで医療が提供されているほか、心臓発作を起こした患者が、病院に行くのを恐れて、治療すれば回復するチャンスがあるとされる時間内に来ないなどで、死亡する患者がでてきているとの指摘がある。これ以上、重症患者を増やすわけにはいかないということである。
www.timesofisrael.com/health-minister-weekend-closure-of-retailers-to-be-scrapped/
<外国人学生受け入れに向けて論議>
ガムズ長官は、外国人学生1万7000人の入国を認める方針である。学生は入国後、最大6人までのグループで、14日間の自粛を行ってから外へ出ることを許可される。ガムズ長官は、特別な監視システムを導入する。
感染予防対策を破った場合、学生は直ちに強制送還となり、学生だけでなく、学校の責任も問うことになると言っている。
対象となる学生のほとんどは、超正統派のイシバの学生で、秋の例祭の前に入国を許可されるとなっているが、多くの学生は感染が拡大しているアメリカからであることと、イスラエル人の家族でも異邦人である場合は、入国を拒否されるのに、不公平ではないのかとの反発が出ている。
www.timesofisrael.com/coronavirus-czar-okays-entry-of-around-17000-foreign-students-to-israel/
また保健相によると、大学生2000人、イシバ(ユダヤ教学生)1万2000人が新学期にむけて入国する予定。このほか、ユダヤ人ではあるが、まだ外国籍の人のためのユダヤ機関のプログラム、マサに5000人、移住促進のための高校生留学に500人、その他私学の学校に入学する1500人の入国が許可される予定とのこと。数字がガムズ長官のものと一致していないが、説明はない。