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アルベルさんとアガムさん解放へ:イスラエルも避難民のガザ北部への通行容認へ
イスラエルは、ハマスが合意に反して、先週末、女性市民のアレベル・ヤフードさん(29)を解放しなかったことから、イスラエル軍は、ガザ南北を隔てるネツァリム回廊の駐留と遮断を継続し、解放の条件として、アレベルさんを今週中に解放するよう、要求し
ていた。
これにより、ネツァリム回廊付近では、北部へ戻ろうとする大群衆が、屋外で立ち往生する事態になっていた。
ハマスは、これはイスラエルの合意違反だと反発した。
これを受けて、カタールが、イスラム聖戦との交渉をすすめた結果、ハマスとイスラム聖戦は、1月30日(木)に、アレベル・ヤフードさんと、最後のイスラエル軍女性兵士人質のアガム・バーガーさん、もう一人の男性と合わせて3人を解放することで合意した。
今週末の2月1日(土)には、元々の合意による3人の解放も行われる。今週末までに6人が解放される予定となった。
またもう一点、イスラエルが、ハマスの合意違反として指摘していたのが、ハマスがいまだに、第一段階で、解放する定の26人(すでに解放が完了している7人意外)の解放順番のリストだけでなく、その生死すら明らかにしていない点である。この中には、幼児2人を含むビバスさん一家も含まれている。
これについて、ハマスは生死の人数は提示したが、解放する順番の名前の提示はまだなかった。生死者の数については、イスラエルが予想していたものと一致しており、以下の通りである。
第一段階で解放される人質33人のうち、生存者は、25人。これまでに7人が生還したので、今もガザにいる人質26人のうち生存していると考えられる人は、18人。死者は8人。
今週、ここからさらに、生存している6人が解放される予定である。
これにより、イスラエルは本日1月27日(月)、ネツァリム回廊の半分から撤退し、ガザ避難民の群衆が、北部へ移動できるようにするとのこと。
解放された人質家族が声明
1月26日(日)、25日(土)に解放された人質の家族4組が、声明を発表した。
家族たちは、合意に踏み切ったネタニヤフ首相と、そのために停戦合意を支持した与野党の政治家たち、ヘルツォグ大統領、また後押ししてくれたトランプ大統領と、ウィトコフ米中東特使に、深い感謝を表明した。
また、家族を支え続けてくれたイスラエル国民のおかげで、人質が戻り始めているとして、深い感謝を表明するとともに、特にまだ解放されていない女性、アレベルさんや、アガムさんの名前をあげて、最後の人質が戻るまで、休まず、沈黙してはならないと語った。
しかし、リリ・アルバグさんの父親のエリさんは、この中で、ハマスとの人質解放合意に反対した政治家については軽蔑すると述べ、ツケは払ってもらうとも述べていた。
また家族たちは、戻ってきた人質は、これから容易くない回復への道をたどらなければならないと述べ、プライベートを守ってほしいとも要請した。
なお、現在、最初に解放された3人は退院。次に解放された4人の女性たちは、今も病院にいるが、いわゆる病院ではなく、ホテルのような環境で、ビューティサロンもあり、特に心理的な回復を図っているとのこと。
www.jpost.com/israel-news/article-839305
石のひとりごと
1年以上も家族を人質にとられているだけでなく、まだ生きているのか死んでいるのかもはっきりせず、ただ知らせを待つしかない。まさにローラーコースターである。
一方で、がれきのガザ北部にさえ入れないで、屋外でしゃがみこむガザの人々がいる。子供を連れて頭を抱え込んでいる女性もいる。全員がハマスに毒されているわけではなく、ごく普通の家族もいるだろう。その人々にとっては、まさに1年以上も続いている災難である。
皆平和を望んでいるはずなのに、人間は、自らここまでの混乱と、苦悩と悲しみを招いてしまうのである。自分にもその可能性は十分にあると思うと、主の導きなしには生きていけない者であることを実感する。