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UAEとイスラエルが自由貿易協定に署名
イスラエルは、5月31日、UAE(アラブ首長国連邦)と、自由貿易協定に署名した。アラブ諸国で、イスラエルと自由貿易協定に署名するのは、UAEが初である。以下はそのぶあつい合意書。
Mabruk !!! 🇮🇱🕊🇦🇪 pic.twitter.com/Uf1DcEpNBb
— Ambassador Amir Hayek (@HayekAmir) May 31, 2022
イスラエルとUAEは、2020年にアブラハム合意で国交正常化をとげて以来、その貿易はすでに、昨年25億ドル。今年は3月までですでに10億ドルに達している。
今回の自由貿易協定合意により、食糧、薬品、化粧品など96%の貿易に関税がなくなる。今後両国の経済・技術協力はさらに進むと期待されている。
www.timesofisrael.com/israel-uae-ink-groundbreaking-free-trade-deal-in-1st-with-arab-state/
しかし、そもそもこれが可能になったのは、まず、サウジアラビアが、イスラエルからUAEへの直行便が、上空を飛ぶことを認めたからであった。
イスラエルからUAEまではエミレーツ航空、エルアル航空が運行している。今や、イスラエル人が、ドバイでホリデーを過ごすことは、ごく普通のこととなっている。
アメリカとサウジアラビアも接近か
イラン情勢が緊張する中、湾岸諸国も防衛に必死である。イランと目と鼻の先にいるUAEは、明らかにイスラエルと手を組んだわけである。
こうした中、アメリカがサウジアラビアに接近しているといったニュースが飛び交っている。
アメリカは、トランプ前大統領の時に、サウジアラビアをアブラハム合意に引き入れる一歩手前までになっていた。
しかし、その後、バイデン大統領は、モハンマド・ビン・サルマン皇太子(次期国王)のカショギ記者暗殺スキャンダルを持ち出し、イエメンでのサウジアラビアの動きにも批判的であったことから、両国の関係は冷え込むこととなっている。
最近、サウジは、イランに接近する様子すら見せ始めていた。しかし、この6月、バイデン大統領がイスラエルとパレスチナ自治政府を訪問する予定となり、その際にサウジアラビアを訪問する案が浮上。サウジアラビアもこれを受け入れるのではとみられている。
無論、イスラエルはこれを歓迎する立場である。*バイデン大統領の中東訪問の日程については7月に延期とのニュースが入っている。
イスラエルとサウジアラビアの間には、まだ正式な国交はないが、もはや、可能かどうかではなく、いつそれが発動になるかの段階にあるという。Times of Israelによると、サウジアラビアは、イスラエルとの経済的、防衛に関する点でも対話を進めているとのこと。
www.timesofisrael.com/israel-and-saudi-arabia-said-in-us-brokered-talks-to-improve-relations/
石のひとりごと:サウジアラビア上空
今回、エミレーツ航空で、ドバイからサウジ上空を通って、テルアビブ入りした。4時間ほどの飛行だが、下を見ると、ずっと砂漠であった。時に丸いものがたくさんみえたが、これはなんだろうか。
木々やぎっしり家やビルが立ち並ぶ地域もあれば、こんな広大で、飛行機で数時間いっても、川も山もなにもないような地域もあるのだ。確かに迷い込んだら死んでしまうだろう。
地球の広大さをあらためて思った。
また、サウジアラビアが、こんなふうに、上空飛行を許すということは、本当に相手を信頼しているということなのだと思わされた。
サウジアラビアとイスラエルの国交も進むことを期待したい。