アメリカとイランの危険な睨み合い:イランのハメネイ師(87)がトランプ大統領は犯罪者と強気の非難表明 2026.1.19

US President Donald Trump (left) speaks to reporters while in flight on Air Force One to Joint Base Andrews, Maryland, on January 11, 2026. (AP/Julia Demaree Nikhinson); Iranian supreme leader, Ayatollah Ali Khamenei speaks in a meeting, in Tehran, Iran, January 3, 2026. (Office of the Iranian Supreme Leader via AP)

アメリカとイランの危険な睨み合い

イランでは、トランプ大統領いわく、イラン政府が、予定していたデモ隊800人の処刑を思いとどまったとことを受けて、とりあえずは、軍事介入をしない方向になったと伝えられている。

Tehran, Iran January 3, 2026.
(photo credit: Office of the Iranian Supreme Leader/WANA (West Asia News Agency)/Handout via REUTERS)

しかし、その後、イラン最高指導者ハメネイ師(87)が、トランプ大統領を犯罪者だと非難。決して許さないといった声明を出した。

これに対し、トランプ大統領は、「ハメネイはそろそろ引き時では」と述べ、ハメネイ師の暗殺に出るのではないかとの憶測が飛んだ。

ハメネイ師は87歳と高齢であるため、すでに自身で次の指導者を指名しているとの報道も出ていた。トランプ大統領はそのことを指した可能性もあった。

しかし、イランのペゼシュキアン大統領は、もしアメリカが、ハメネイ師に手出ししたら、全面戦争になると表明した。トランプ大統領は、「すべてのオプションはまだテーブルの上だ。アメリカ軍基地を攻撃したら、イランは、非常に厳しい事態になる」と言い返した。

www.jpost.com/middle-east/iran-news/article-883639

in San Diego, California, US, August 11, 2025
(photo credit: REUTERS/MIKE BLAKE)

いずれにしても、アメリカは、いつでもイランを攻撃できる配置になっていることは事実である。

アメリカ軍の空母USSアブラハム・リンカーン(写真)が、駆逐艦2隻を伴い、もうすぐ中東の米中央司令部の領域に到達する。

またF15戦闘機12機がヨルダンに到着し、配備された。アメリカの戦闘機はさらに地域に向かっているとのこと。

もしアメリカとイランが戦闘になれば、イスラエルにイランからのサイルの雨が降ることになる。その準備が十分でないとの報道もあり、そのために、ネタニヤフ首相がトランプ大統領に、イラン攻撃を控えるように求めたとの分析もある。

www.jpost.com/middle-east/article-883766

なおイスラエルには、1月18日(日)、3機の最新ステルス戦闘機F35が到着。これで、イスラエルに現存するF35は、全部で48機となった。

この3機は、イスラエルが発注している50機のうちの最初の3機だった。ただこれは以前からの計画であり、イラン対策ではないとのこと。

なお、イスラエルは、この他に、2024年にもF35を25機発注しており、これについては、2028年から納入されることになっている。

www.timesofisrael.com/liveblog_entry/three-more-f-35-fighter-jets-land-in-israel-bringing-iafs-fleet-to-48/

イラン国内の様子

イランの反政府デモは鎮圧されたような様相で、治安部隊が、テヘランや各地で、厳しい監視体制をとっている。逮捕者は続いているとのこと。

人権活動家通信社の報告としてBBCが伝えたところによると、確認された死者は3300人で、確認中が4380件。逮捕者は、2万4266人に達したとのこと。しかし、実際の数字はもっと多いと予想されている。

イランからは、黒い袋に入れられた遺体が、膨大な数で並べられ、遺族がそこから娘や息子の遺体を探しだし、近くに埋葬する様子も見られている。

BBCによると、イラン政府は、遺体の返還に際し大金を要求しているとのこと。

イラン国内では、1月8日から今もまだ、インターネットが遮断されたままである。再開される見通しは立っていない。

市民は、プライベートネットワークを利用して様々なアプリにアクセスしていたとのこと。しかし、政権は、それらも遮断し、ブラックホール状態になり、電話もできないという。

世界諸国にいるイラン人たちは、イラン国内にいる家族と連絡が取れなくなっており、不安に陥っている。

このようにインターネットを政府が閉鎖することが可能なシステムは、ロシアと中国で使われており、イラン政府が同様のシステムにしようとしているとみられている。

www.bbc.com/news/articles/cg5gegrdq3go

こうした中、1月18日(日)、イラン国営放送がハッキングされ、パーレビ前皇太子が登場して、人々に反政府デモを続けるようにと呼びかけていた。Xへの投稿ではそれを見た市民が興奮する様子もある。

www.ynetnews.com/article/sjubhxjrwg

石のひとりごと

イランは後進国ではない。日本と同じような技術で生活レベルもそう変わりない。その人々が今、この状態である。日本での平和な日々が当たり前でないことを実感する毎日である。

それにしても、トランプ大統領はまさに、世界を振り回す大王みたいである。ロシアとウクライナの件、中国との対立、ベネズエラ攻撃に続いて、イランでこの様子である。

さらには、グリーンランド獲得を主張し、全ヨーロッパから大反発を受けている。前からの予定だったそうだが、このタイミングで、ヨーロッパ諸国の軍が、グリーンランドで共同軍事訓練を行なっている。

トランプ大統領は、各地での緊張において、関税を武器として使い、反発は倍増。世界は混乱に混乱である。トランプ大統領は、いったい何者なのだろうかと思う。

全てを知っておられ、全てを支配しておられる主に目と耳を向ける日々である。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。