4月7日、トランプ大統領が、ネタニヤフ首相をワシントンに呼びつけて、核問題でイランと交渉を行うと世界に向けて発表したが、ネタニヤフ首相は、これをこの時に初めて聞いたと言われている。
イスラエル国内では、ネタニヤフ首相が、アメリカがイランへの攻撃するのではなく、交渉の方向になった、また前と同じになる可能性に合意させられただけでなく、関税17%の緩和を獲得できなかったこともあり、なんのための訪問だったのかと言われるなど、おおむね失敗だったとの解説になっていた。
ネタニヤフ首相は、アメリカから帰国前に、トランプ大統領との会談のまとめを国民に向けて発信した。以下は、首相府がGPO(政府プレスオフィス)を通じて発信した声明である。
ネタニヤフ首相は、まず、アメリカとイスラエルの関係が非常に深いことを述べ、イランを核保有国にしないことでは、確かに合意していることを強調した。
つまり、今回、アメリカがイランと交渉をしても、2015年の合意の時のように、未来に核兵器開発をする可能性を残さないようにするということである。
もし、アメリカとイランが交渉で合意したとすれば、それは、アメリカが、抵抗されることなくイランに入り、核兵器開発に関わるすべての施設を完全に破壊することでの合意を意味する。
もし、イランが、交渉を狡猾に長引かせようとして場合、これを受け入れることはない。その時は武力で、核関係施設を一掃する。
要するに、どちらに転んでも、イランが核保有国にならないようにするということで合意したということである。(・・ということはイランが受け入れるはずがないわけである。)
この他、ガザについては、原則は、ハマスの殲滅であり、同時に人質を全員取り戻すことで合意したと述べた。
またトランプ大統領が、はっきりと「この男(ネタニヤフ首相)は、常に人質をとりもどそうとしている」と記者団に向かって語ったことをあげ、私が人質のことを後回しにしているというのは間違いだとわかってほしいと述べた。
なお、トランプ大統領は、8日(火)、ワシントンで行われたイベントで、解放された人質3人、アイエア・ホーンさん、キース・シーゲルさん、アビバ・シーゲルさんをステージに招いた。
そこで3人は、自分たちが解放されたのは、トランプ大統領のおかげだと感謝を表明していた。
www.timesofisrael.com/owe-our-lives-to-you-former-gaza-captives-implore-trump-to-help-free-the-rest/
この他、ネタニヤフ首相は、ガザのトランプ大統領のガザ市民の総移住について、最終的に、これは必要なことであると述べ、今、可能性のある国々と話を進めていると語った。
また今大きな問題になっているのが、トルコである。シリアに進出しようとするトルコとイスラエルの間で新たな戦火になるのではないかと懸念されている。
ネタニヤフ首相は、トルコは、今、シリアに軍事基地を立ち上げようとしているが、これはイスラエルにとって危険なことであると強調した。
イスラエルは今、これが実現しないよう、働いている。このことを私たちの友であり、トルコのエルドアン大統領の友でもあるトランプ大統領に伝え、必要な時には助けてくれるように頼んだと語った。
最後に相互関税について。トランプ大統領は、アメリカが貿易赤字になっている国に対し、それを削減、もしくはゼロにするよう訴えていると述べ、イスラエルにとって、それは難しくない、必ず成し遂げると約束したと述べた。
その理由について、アメリカとトランプ大統領は今、私たちのために、本当に多くのことをしてくれているとして、これが今、お返しにできることだと述べ、理解を求めた。