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イエメンのイラン傀儡フーシ派が、アメリカとイスラエルに挑戦的な行動をとっており、戦火拡大が懸念されている。
アメリカがシリアのイランを攻撃:フーシ派が米軍UAV撃墜
CNNによると、イスラエルとハマスの戦闘が始まってから、これまでの間に、シリアに中東するアメリカ軍と連合軍の駐屯地が、41回もドローンやロケット弾による攻撃を受けている。
10月26日の攻撃では40人が負傷し、このうち少なくくとも20人が頭部外傷であった。この後、アメリカは、シリアへの反撃をおこなっていた。
イエメンにいるイラン傀儡のフーシ派は、31日、親パレスチナの位置付けを明確にし、イスラエルへの宣戦布告とも聞こえる声明を出し、イスラエルに向けてミサイルを発射した。この時は、エジプトとの国境には着弾したが、エイラットに飛来したミサイルは、イスラエルが迎撃していた。
フーシ派は、アメリカに対しても、イスラエルを支援していると非難。アメリカへの攻撃も辞さない勢いである。地域が緊張していることを受けて、アメリカは、空母2隻を地中海に派遣しているのに加えて、新たに、高度な潜水艦を紅海に派遣した。アメリカは、これまでに、イエメンからイスラエルへのミサイルを少なくとも4発迎撃している。
こうした中、8日、フーシ派は、紅海でアメリカのUAV(MQ9)を撃墜。これに対し、アメリカは、その夜、2機の戦闘機で、イラン革命軍と関係が深い、シリア東部の武器補保管施設への攻撃を行った。オースティン米国務長官は、この攻撃は自衛攻撃であると発表した。
アメリカ軍関係者は、この攻撃は、ハマスとイスラエルの戦争とその背後にいるイランとの関係があるとみており、今回のアメリカのシリアへの攻撃は、イランに対して、「アメリカ軍がここにいるのは、イランの敵でもあるISIS戦うためであるので、我々に手を出さないほうがよい。」とのメッセージだったと分析している。
edition.cnn.com/2023/11/08/politics/us-airstrikes-eastern-syria-iran/index.html
イスラエルがシリアのイランを攻撃:フーシ派?エイラットの学校へミサイル着弾
アメリカがシリアへの空爆を行った同じ夜、わずかな時間差で、イスラエルもシリアを攻撃していた。
9日のアメリカとイスラエルの攻撃で、シリアにいたイラン関係者やヒズボラなど12人が死亡した可能性がある。
この翌日9日、イスラエル南端エイラットにドローンが飛来し、学校に着弾して建物が破損した。その後もミサイルが飛来したが、長距離防空システムアロー3が発動し、これを撃墜した。(アロー3が実際に発動・迎撃したのはこれが初めてであったとのこと)
この時学校には、子供たち40人がいたが、地下に避難して無事だった。しかし、5人が不安で、1人が煙を吸い込んだとのことっで治療を受けている。
www.timesofisrael.com/drone-hits-eilat-school-causing-damage-authorities-probing-origin/
この攻撃を行ったドローンは、イラン傀儡フーシ派によるものであると考えられる。しかし、イスラエルは、ドローンがどこから発射されたかは明確にしないで、再度シリアへの攻撃を実施した。この攻撃でヒズボラ3人が死亡したとみられる。
イスラエルのシリア攻撃はこれが初めてではない。すでに戦争は数年前から始まっているかのごとく、攻撃の数は数えきれず、そのスケールも大きくなっている。
ハマスとの戦争が始まってまもなくの10月12日、イスラエルは、シリアのダマスカスとアレッポを攻撃し、以来、空港は使用不能になったままである。
ロシアはどう出る?
このシリア、特にアサド大統領が、今も大統領でいられるのは、ロシアのおかげである。シリアの実権はロシアが握っていると言っても過言ではない。このため、イスラエルはロシアとの関係を維持して、シリア領内のイラン関係地点への攻撃を事実上、容認してもらっている形である。
しかし、今、アメリカがイスラエルと同様に、シリアのイラン関係地点を攻撃し始めている。アメリカは、攻撃においてロシアとの一線は超えないようにしているとのことだが、なんとも際どいところである。