昨年3月、ヘブロンですでに撃たれて瀕死となっていたパレスチナ人テロリストに、改めて発砲し、死にいたらしめたエロール・アザリヤ軍曹(20)の行為について、裁判が続けられていたが、先週水曜、”故殺剤”にあたるとする有罪判決が出た。
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*故殺:計画性がなく、一時の激情で殺意を生じて殺人に及んだ場合の殺人
アザリヤ軍曹の弁護団は、アザリア軍曹は瀕死になっていたパレスチナ人テロリストが、自爆しそうな動きをしたと判断し、新たな犠牲者を出さないために発砲したと主張していた。
一方、イスラエル軍は、軍曹が発砲したのは、テロリストが撃たれてからすでに数分が経過してからのことで、自爆のおそれがないことは確認されていた。すでに無害になっている人間に発砲することは、イスラエル軍の規範に反すると主張していた。
その後、激しい論議の中で、裁判が続けられてきたのだが、最終的に先週水曜、このパレスチナ人は、最初の銃撃ではなく、アザリヤ軍曹の発砲で死亡していたとして、アザリア軍曹は”故殺罪”にあたるとの判決が出されたものである。
これを受けて、400人あまりが、テルアビブのイスラエル軍本部前で、判決に不服を申し立てるデモを行った。
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デモ隊の一部は、過激右派で知られるサッカーチーム・エルサレム・ベイタールのサポーターらで、イスラエル軍のガビ・エイセンコット参謀総長の暗殺をほのめかすような挑発を叫んで、少なくとも4人が逮捕される騒ぎとなった。
すると今度は土曜夜、テルアビブで、こうした挑発に反対し、イスラエル人は分裂するべきではないと訴えるデモ集会が行われ、数千人が参加した。
このデモには、ガザで重傷を負った元兵士や、2014年に16歳の息子を失った家族なども参加していた。
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また、歴代参謀総長を務めた5人が、国の判決に反して挑発的な行動と取る行為には反対するとそろって表明した。
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しかし、日曜のテロ事件で、兵士たちが戦わず、ちりじりに逃げたのは、アザリア軍曹の例から兵士たちが発砲に躊躇したためではないかとの見方がある。