アサド政権崩壊後のシリア:政権樹立まで4年かかる可能性も人々は新年を祝う 2025.1.4

Umayyad Square in Damascus, Syria. © Anwar Amro, AFP

シリアで多様性に寛大な政府を樹立しようとしているHTSのアフメド・アル・シャラア氏だが、やはり、一つの政権にまとめ上げるのは難しそうである。

昨年クリスマスには、ツリー放火事件で暴動になり、HTS治安部隊とアサド旧政権勢力が衝突し17人が死亡するなどの時件が発生している。

in Damascus [Syrian Arab News Agency / Handout via AFP]
また、アル・シャラア氏は、立場的に、アサド政権を支援し、アサド大統領を保護している、ロシアに頼れないので、欧米勢力の理解を得るしかない。

しかし、HTSはじめ、シリアは厳しい経済制裁の下に置かれたままである。

年明けとなり、ドイツとフランスの外交官が、シリアでアル・シャラア氏との会談を行っているが、国際社会の信頼を得るのはまだまだ難しい。

アル・シャラア氏は、2024年12月31日の時点で、憲法樹立は3年後、総選挙、つまり政権樹立は、4年先になる可能性も示唆した。

www.bbc.com/japanese/articles/cn85kr8rl7zo

しかし、アサド政権が崩壊したことで、ダマスカスでは、盛大に花火が上がって、賑やかな新年を祝う様子が見られた。

この日を新年というのは、基本的には、シリアでは2%以下のクリスチャンだが、その他の人々も、この祝いに参加していたとのこと。HTSが、治安維持にあたっていた。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。