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人質解放とパレスチナ収監者釈放の流れ
ハマスとの現時点での合意に乗っ取り、イスラエル閣議での停戦・人質交換に合意してから24時間以内に、イスラエル軍は、定められたラインまで撤退を完了する。この時点で、イスラエルが支配するガザの地域は53%となる。
それが完了してから72時間以内に、ハマスは人質と遺体の解放を完了する。ハマスによると、20人(外国人4人含む)の生存者は、確認ができているが、遺体28体のうち、9体の位置は把握できていないとのこと。
人質の解放は、以前のような式典はなく、赤十字に引き渡された後、イスラエル軍に引き渡される。そこから国境のレイム基地で健康チェックなど行い、家族ともここで面会する。緊急状況にある人は、レイム基地を経由せずに、ベエルシェバの病院に空輸される。
人質解放は、早ければ11日(土)にも始まると言われていたが、おそらく来週13日(月)、14日(火)になるとみられている。この日はシムハット・トーラーの祝日(聖書を覚える日)にあたる。この日、トランプ大統領が、イスラエルに到着し、国会で演説する予定となっている。
www.ynetnews.com/article/hjfwjaraex
イスラエルは、おそらく、人質が解放されるのと並行して、パレスチナ人収監者250人と、ガザで拘束した1700人、未成年者22人とを釈放する。行き先はガザ地区と、トルコ、カタールなどとなっている。
イスラエルはまた、パレスチナ人350人の遺体も引き渡すが、これについては、ハマスが引き渡す人質の遺体1体に対し、15体を引き渡すとのこと。
アメリカ地上軍200人が停戦監視に派遣予定:アラブ諸国の軍もチーム入りか
アメリカ政府高官によると、アメリカは、イスラエルとハマスの停戦を監督するため、アメリカ軍200人(地上部隊)を中東に派遣するとのこと。この監督チームには、エジプト、カタール、トルコ、UAEからも参加があるとみられている。
ただし、アメリカ軍はガザ内には入らないとしている。一報によると、エジプトで共同制御センターを設立し、まだガザに駐留しているイスラエル軍と連絡を取り合う形になる。
第二段階はあるのか?:アモス・ヤディン氏分析
イスラエル防衛エキスパートのアモス・ヤディン氏の分析によると、トランプ大統領が出している停戦案20項目のうち、現時点の第一段階でクリアするのは4.5項目にすぎない。
仮に第一段階が仮に完了したとして、次の第二段階では、イスラエルの完全撤退し、ハマスの武装解除と恩赦・ガザからの撤退などとなっている。その後、次の管理者が立つことになるが、簡単には進まないことは明らかである。
ハマスの武装解除がなく、ガザにとどまることになれば、イスラエル国内の強硬右派が、反旗を翻すことになり、ネタニヤフ政権に大きな問題となる。
加えて、パレスチナ自治政府が登場するパレスチナ国家問題も関わって来て、サウジアラビアや中東諸国との問題にも拡大していく。
限りなく先が見えないということである。結局のところ、トランプ大統領は、「まずは戦争を終わらせる。それから先は、どうなるか様子をみよう」と言っているのである。
www.timesofisrael.com/trump-we-ended-gaza-war-the-hostages-are-coming-home-after-that-well-see/
トランプ大統領は、今、ハマスに対し、イスラエルの攻撃が止まることを保証している。一方で、イスラエルには、ハマスの武装解除がない場合は、攻撃の余地も補償するという非常に狡猾な約束で停戦に持ち込もうとしている。
ヤディン氏は、何はともあれ、人質を全員取り戻して、戦争を終わらせること。これは、イスラエルにとってもよいことだと語っている。
