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3月の総選挙で、予想外の圧勝と言われたネタニヤフ首相だったが、その後の連立交渉は予想通り、相当難航した。
連立立ち上げの期限は、総選挙から7週間後の昨夜7日0時だったのだが、残り2時間を切って、ようやく国会の過半数となる連立政権を立ち上げることができたと発表した。
しかし、過半数とはいえ、議席数120のうちの61議席というから、過半数と行ってもぎりぎり、かつかつである。
ここまでぎりぎりになったのは、イスラエル我が家党のリーバーマン党首が、期限前日になって、外務大臣のイスを蹴って、連立には加わらないと反旗を翻したことが大きい。これにより、ネタニヤフ首相は期限前日の時点で、53議席と政権たちあげに届かなくなった。
そこでネタニヤフ首相は、ユダヤの家党(8議席)のナフタリ・ベネット党首とのマラソン交渉に入った。この交渉がもし成立しなかったら、連立失敗ということになり、リブリン大統領は、ネタニヤフ首相以外の党首に連立立ち上げを指名する流れとなる。
その場合は、議席第2位の左派労働党ヘルツォグ氏が指名を受けて、ヘルツォグ氏が、首相になる可能性もあった。しかし、期限まで残り2時間を切って、ネタニヤフ首相とベネット党首が合意に達したため、その第二の筋書きはなくなった。
いつもながら、上り下がりの激しいイスラエルである。
<右派で固まるが、運転が超難しい新政府>
今回ネタニヤフ首相が、かろうじて獲得した61議席のうちわけは以下の通りで、右派が大半を占めている。
リクード(ネタニヤフ首相所属)30、みんな党(中道・カフロン党首)10、ユダヤの家党(右派・ベネット党首)8、シャスユダヤ教正統(デリ党首)7、統一トーラーユダヤ教党6
中でもベネット党首は、宗教シオニストの旗印を明確にしており、入植地問題でも過激な右派的発言が目立つ。海外の報道では、イスラエルが今後、さらに右傾化するのではないかとも言われている。
しかし、実際はそうでもないとイスラエルの専門家は言う。政権の中に、右派の老舗のようなイスラエル我が家のリーバーマン党首が加わっていないからである。
また、61議席という史上最悪ともいえるぎりぎり政府であるため、ネタニヤフ首相がそれほど自由に右派よりの改革ができるとも考えにくい。昨夜ベネット党首とともに記者会見を行ったネタニヤフ首相は、弱々しい声で、「61議席はよい。しかし、61以上はもっと良い。」と語っている。
一部の報道では、続投が決まった今、ネタニヤフ首相が、首相ローテーションで、左派労働党のヘルツォグ党首を引き込もうとしているという記事もある。しかし、その直後にヘルツォグ氏が、「助け舟は出さない」と断言するなど、バトルは続いているようである。
とりあえず、ネタニヤフ首相が首相で、上記の党からなる連立政権になることは決まったということである。ここから、ネタニヤフ首相は早急に政府閣僚の名簿を作成し、来週までにリブリン大統領に報告することになる。
ここからは、ネタニヤフ首相が、連立交渉で与党各党に約束した大臣のポジション以外のポジションに、誰をつけるのかが注目されている。上記のように、左派労働党を引き込む可能性もあり、どんな政府になるかは、まだ流動的である。