「ギデオンの戦車」ガザ戦闘全域へ拡大中:イスラエル軍兵士4人戦死 2025.6.4

IDF

イスラエル軍がガザ国境周囲から戦闘拡大中

ハマスとの交渉は続けられてはいるが、まだ結果は出せていない。解放する人質の数を交渉に使い、まるで命を天秤にかけるかの様子に、家族たちは、「シンドラーのリストか」と強い怒りを表明し、イスラエル国内での毎週のデモをずっと続けている。

Israeli troops operating in the Gaza Strip in a handout photo released on June 2, 2025 (Israel Defense Forces)

こうした中、6月3日(火)、IDFのエフィ・デフリン報道官が記者会見を行い、イスラエル地上軍の活動範囲が拡大していることを明らかにした。

イスラエル軍は、ガザ国境全方向から、海岸方面へ向かって前進している。目的は、人質の解放と、ハマスの決定的な敗北である。

これまでに、多くの戦闘員や武器を破壊したとデフリン報道官。

しかし、ハマスは、意図的に市民がいるところに拠点を築いているとして、人々を巻き添えにしないよう、全力を尽くしながら、攻撃を続けていると説明した。

www.timesofisrael.com/idf-rejects-exaggerated-hamas-claims-of-people-killed-by-troops-near-gaza-aid-site/

イスラエル兵4人死亡:20代若者たち

しかし、こうした中、6月2日(月)、ガザ北部ジャバリヤで、イスラエル軍の車列が通過中に、道路に仕掛けられた爆弾が爆発し、イスラエル兵3人が死亡。2人が負傷(中等度)した。

死亡したのは以下の3人。

リオール・ステインバーグ軍曹(20)、戦闘部隊医療兵のオフェク・バルハナ軍曹(20)オメル・バン・ゲルダー軍曹(22)

現場には多数の罠が仕掛けられていたことから、死傷した兵士を救出するのに時間がかかったという。

www.timesofisrael.com/three-idf-soldiers-killed-by-roadside-bomb-in-north-gazas-jabalia/

しかし、Times of Israelによると、3人はすでに埋葬されている。

オメルさんの葬儀Mount Herzl military cemetery in Jerusalem, Tuesday, June 3, 2025. (AP Photo/Ohad Zwigenberg)

ヤブネの軍事墓地にオフェクさん(写真中央)が葬られた。

母親のリアさんは、きちんとさよならを言わなかったと言っていた。父親のマモさんも、まだ20歳という人生の始まりなのに、逝ってしまったと言っている。

また、オメルさんはエルサレムに埋葬された。医療兵だったオメルさんの両親は、オメルさん(写真右)の臓器を移植者に寄付したとのこと。号泣する人々の様子が伝えられている。

ステインバーグさんは、ペタフ・ティクバに埋葬された。両親と妹が遺族となり、深すぎる悲しみの葬儀の時となっていた。

www.timesofisrael.com/22-years-is-not-enough-three-soldiers-killed-in-gaza-roadside-bomb-laid-to-rest/

IDF

しかし、これで終わりではなく、続いて3日(火)には、ガザ市シャジャイヤで発生した銃撃戦で、予備役兵アロン・ファルカス軍曹(27)が死亡。1人が重傷と伝えられている。

www.timesofisrael.com/liveblog-june-4-2025/

 

石のひとりごと

ニュースには、全く上がってこないが、ガザでは、このように、イスラエル人の若い兵士たちが、残虐なテロ組織と戦って、命を落としている。

これは、国対国の戦争ではない。ハマスは、イスラエル市民1200人を虐殺した上、今もまだ58人の人質を解放しようとしない。ガザ市民を犠牲にしながら、自分たちのイデオロギーだけを追い求めている。

これは、まぎれもなく、国際社会が排除するべきテロ組織である。そのことを今の世界は理解していない。

イスラエルは大変な犠牲を負いながら、このテロ組織と戦っている。とりなしを!

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。