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18年前に撤退の西岸地区入植地復帰へ
司法制度改革で、最高裁の権限を弱体化するのと並行して、与党は、強硬右派政権としての最終目標である西岸地区の併合にむけての動きも出始めている。
それが、2005年のガザからの撤退の際に同時発令された、西岸地区北部のユダヤ人入植地4ヶ所からの撤退命令を解除するという動きである。
この法案はすでに国会で論じられすでに1回目採択を可決で通過していたもようで、21日に、2回目、3回目が行われ、最終的に賛成31、反対18で、可決となった。これにより、これら4ヶ所の前入植地にユダヤ人たちが戻ることができるようになる。
この4ヶ所は、ホメシュ、ガニム、カディム、サヌールで、今は前哨地として、違法な右派ユダヤ人たちが、滞在しているところや、ユダヤ教神学校になっているところもある。これまでは違法であったが、合法的に入植活動を許可するということである。
この地域は、ユダヤ人にとっては、西岸地区をユダヤ人の地として取り戻すという考えの中では象徴的な地域で、2005年以来、ユダヤ人がそこへ入ることを違法としたこの法律は、「反シオニズム法」との異名ととっていたほどであった。
極右派たちの中には、「これはスタート。やがてはガザも取り戻す」などと過激な発言をした人もいた。以下はこの決議を喜ぶ入植者たち。
שמחה לארצך, וששון לעירך
– ריקודי הודיה ושמחה ברחבת הכנסת, לאחר שחוק השיבה לחומש וצפון השומרון עבר בקריאה שניה ושלישית.
"אם אתה מאמין שיכולים לקלקל, תאמין שיכולים לתקן" – זה היה העקרון לפיו הקמנו לפני יותר מ 17 שנה את מטה "חומש תחילה".
עכשיו אנחנו זוכים להתחיל לתקן.
אשרינו שזכינו pic.twitter.com/Y9XYKFolLw— אורית סטרוק (@oritstrock) March 21, 2023
しかし、当然ながら、この地域にユダヤ人が戻ってくることは、パレスチナ人にとっても土地を奪われることの象徴になる。特にホメシュについては、所有者がパレスチナ人であることから、イスラエルのこの動きが違法になる可能性もある。
左派中道系の議員、たとばガンツ前防衛相は、これらの地域においては、パレスチナ人たちと和合していく必要があるとして危機感を表明している。確かに、イスラム教徒がラマダン入りする直前にこのような決議は、危険すぎる。
また、この発表に先立つ19日、政府は、ラマダン入りを控えてパレスチナ側と、シナイ半島(エジプト仲介ということ)で話し合いを行い、4地域にユダヤ人が戻る計画開始は4ヶ月後とし、その合法化については6ヶ月先にすると、パレスチナ側に伝えていたところであった。
アメリカがイスラエル大使召喚でバッシング
イスラエルのこの決定が発表されると、アメリカのホワイトハウスが、駐米イスラエル大使を召喚し、この決定は、イスラエルが当時のブッシュ政権と約束したことの反すると厳しい批判伝えた。
また、このような発表をラマダンや過越直前という最悪のタイミングで発表したことも強く批判した。駐米イスラエル大使が、ホワイトハウスに召喚されるのは、10年ぶりとのことで、ことの深刻さが伺える。
バイデン政権は、基本的にイスラエルとの同盟友好関係を維持するとの方針を明らかにしていた。しかし、新政権が発足して以来、強硬右派的な動きがあまりにも続いて、目立つようになっており、イスラエル国内に大きな亀裂を生み出している。
アメリカとしても手をやいているのか、ネタニヤフ首相は、就任以来、まだアメリカからの招待を受けていない。
アメリカとも分離して孤立に向かう?イスラエル
ネタニヤフ首相はアメリカの理解や協力を得て、イラン問題、またサウジアラビアのアブラハム合意入りを目指している。
しかし、アメリカは、これにはほとんど力を入れることができておらず、そのため、サウジアラビアは、イランとの合意という予想外の動きに出た。これはネタニヤフ首相にとっては、大打撃ともいえる動きであった。
これについて、専門家は、サウジアラビアが特にイランと和解に向かうということではなく、アメリカが中東に不在であるということを、世界に強調しようとしているとの見方もある。
イスラエルが強硬右派政権になってから、だれをユダヤ人と認めるかの定義について、アメリカ在住ユダヤ人社会との距離も拡大している。
新政権になってからのネタニヤフ首相が、アメリカという最友好国との関係を失わせようとしているといった記事も出ている。
将来、イスラエルが、アメリカだけでなく、世界から孤立していくという形もまんざらあり得ないことでもない。。という動きになりはじめている。