4月7日に、ベネット首相傘下のヤミナ党議員、イディット・シルマン氏が政権から離脱を表明し、連立政権が過半数割れになった件。
今後、政府が新たな政策を打ち出しても、前に進まないこととなり、政権運営が危機に陥ったことについて、ベネット首相は、近い者たちによると、その責任は自分にあると認めているとのこと。(チャンネル12)
一つの原因として、ベネット首相が、外交に時間を使いすぎて足元を無視したという分析もある。しかし、ベネット首相は、本当の原因は、本来右派政党として出発したにもかかわらず、政権運営になってから、左派やアラブ政党も含めた中道に路線変更したことが原因だと認めているという。
この路線変更を、これまできちんと党内部で、議論してこなかったため、ヤミナ党に所属する意味がないと感じる右派議員が出て来たということである。
ベネット首相は、「いろいろ達成して来たが、(多様な政府という)作戦はやはり最後にはうまくいかなかったということだ。」と述べ、これから党改革をしなければならないと語っているとのこと。
しかし、リーバーマン経済相は、イスラエル我が家党という明白な右派政党でありながら、この問題には、ほとんど沈黙である他、イスラム政党ラアム党のマンスール・アッバス氏も、必要な方向転換をするベネット首相は、真に強い人だとして、指示を表明している。
また、国内でテロの波が続いているので、今頃政権交代をしている場合ではないということは、国民の要望でもあるだろう。
今回、ベネット首相自身も、早々と失敗を認め、対策に乗り出しているので、意外に今回も、この大きな危機を乗り越えるかもしれない。今後の動きに注目したい。