ハイファ沖でみつかった天然ガスは、ロシアからの供給が止まっている中、大きな役割を果たす可能性がある。しかし、その位置が問題で、海底とはいえ、まだ正式な国交がないレバノンとの海上の国境の間ぐらいに存在している。
このため、イスラエルとレバノンは、アメリカをはさんで、海上国境を制定するとともに、正式な採掘権について交渉中である。しかし、交渉はなかなか進まず、合意案が、アメリカを経由して、イスラエルとレバノンの間を、双方、修正を加えながら行き来する状態が続いている。
今少しで合意とのニュースも出ていたが、やはりまた頓挫したとの報道になっている。
この合意について、ラピード政権は積極的にすすめているのだが、ライバルのネタニヤフ氏は、今の条件での合意は、レバノンのヒズボラに降参するのも同様だとして、これに大反対している。まだ合意に至っていないのではあるが、ネタニヤフ氏は、もし、まもなくの総選挙で、自分が首相になった場合は、いかなる合意がなされていたとしても、自分の政権では、これを遵守しないと言っている。
いずれにしても、イスラエルは、カリシュ油田については、明らかにイスラエル領内であり、採掘権はあるととして、すでに、ガス歳出の施設と、ヨーロッパへのパイプラインもすでに設置し、あとはテストするだけになっている。
このため、レバノンのヒズボラは、もし採掘権の合意が達成する前に、ガスの抽出を開始した場合は、これを攻撃すると脅迫している。
こうした状況下で、8日、ガンツ防衛相は、合意が達成していなくても、ガスの抽出のを開始すると発表。ヒズボラの攻撃には断固対応すると警告し返した。実際のところ、レバノンの国力はかなり落ちており、ヒズボラも、現時点で、イスラエルと戦いを交えるつもりはないというのが、ガンツ防衛相の判断とみられている。
これを受けて、10日、ガスの採掘をおこなっている会社Energeanは、ガスの流れのテストを開始。テストが完了すれば、数週間以内に、パイプラインを稼働することが可能になるという。
www.timesofisrael.com/despite-tensions-testing-of-gas-pipeline-starts-at-karish-drilling-site/
<OPECプラスが石油減産を発表>
天然ガス供給に影が出ている中、サウジアラビアなどからなるOPEC加盟国に、ロシアを含む非加盟産油国からなるOPECプラスは6日、石油を200万バレル減産すると発表した。これがどんな影響を世界に及ぼしていくかは不明だが、あまりよい予測は出ていない。
jp.reuters.com/article/column-russell-oil-opec-idJPKBN2R107B