イスラエル空軍は、13日夕刻、イスラエルとガザ、シナイ半島の接点に位置するカレンショムロン検問所付近に掘削中の地下トンネルを空爆。数時間後の14日早朝までに、トンネルの破壊を完了した。
今回のトンネルは、ガザとエジプト(シナイ半島)の検問所ラファ付近から発し、エジプトとの国境にそってすすみ、イスラエルとの検問所カレン・ショムロンの真下を通過。イスラエル領内に180m掘り進んでいたもので、全長1.5キロに及んでいた。(地図参照)
トンネルは、一部エジプト側を通っており、シナイ半島からも戦闘員や、武器の搬入を可能にしていたみられる。これは、ガザのハマスやイスラム聖戦が、シナイ半島のISISとも協力していたことを証明するものである。
また、トンネルが、カレン・ショムロン検問所という、まさかのガザ地区への物資搬入口の下を通っており、ガザの命綱さえ破壊する計画をも示唆していることから、ハマスとイスラム聖戦が、ISISとも協力して、大規模なイスラエル攻撃を計画していたのではないかとの見方もある。
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<どう出る!?ハマスとイスラム聖戦>
イスラエルが、ガザから続くトンネルを破壊するのはこれで4回目である。イスラエルのメディアによると、毎回、違うハイテクの技術でトンネルを発見し、特殊な方法で破壊しているという。つまり、次回に備えることが不可能ということである。
また、トンネルの掘削には厖大な費用と人材を要するが、今回のトンネルの破壊は、特にハマスやイスラム聖戦にとって甚大な被害となったとみられる。
さらには、エジプトの検問所と国境をまきこんで、ISISとの協力も示唆するトンネルであったことから、エジプトの信頼も失ったと考えられる。
エジプトは、ハマスが、その宿敵ムスリム同胞団の一派であるにもかかわらず、パレスチナ自治政府との和解の仲介の労をとっていたのである。今後、エジプトがどう出るか注目される。ちなみに、ハマスとファタハ(パレスチナ自治政府)の和解は今回も頓挫したに等しい状況である。
こうしたことから、もはや、先がなくなったハマスとイスラム聖戦が、イスラエルに攻撃をしかけてくる可能性があると分析する専門家もいる。