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イランとの核合意はまた保留か
イランとの核合意再建に向けて、特にイスラエルでは危機感が高まり、治安関係者を次々にワシントンへ派遣。ラピード首相みずからも、バイデン大統領に電話して、合意に署名しないよう訴えていた件。今回もまた、署名に至らないまま、うやむやと保留になったようである。
イランとの核合意については、延々と交渉が続けられており、今回がはじめての危機的状況ではない。しかし、イスラエルは特に今回の合意内容は、以前のものよりも甘く、もし、双方が署名したら、経済制裁が緩和され、イランに大量の現金が入ることになる。それが兵器開発に回されると強く主張していた。
合意案はヨーロッパからイランへ、イランからヨーロッパ、アメリカへ、再びイランに戻されるといったプロセスが侵攻していた。結局、イランが、署名に応じない姿勢を示したことと、イランの核施設ナタンツに安全性の審査に入ったIAEAが、イランのさまざまな妨害にあい、イランの核開発が平和的なものとは保証できないと発表したためである。
アメリカは、6日、イランとの交渉は「後退」したとの見方を表明。続いてE3カ国(フランス、イギリス、フランス)も、10日、今回合意に至る可能性は低いとの見方を示した。
現時点では、少なくとも11月8日にアメリカで行われる大統領選挙に向けた中間選挙がが終わるまでは、なんの動きもないという見通しと言われている。
ラピード首相は昨日、ドイツへの外交訪問を開始したが、ラピード首相は出発前に、イランとの合意に証明しなかったEU3カ国に感謝を表明した。
www.jpost.com/international/article-716848
ラピード首相に白星?ヨーロッパとの外交関係強化はかる
今回のラピード首相のドイツ訪問は、ドイツのシュタインマイヤー大統領が、ヘルツォグ大統領のドイツ訪問時に表明した心からの悔い改めを受け、サバイバーをつれての訪問で、「勝利とはどんなものか」と銘打っている。ドイツ、ひいてはヨーロッパとのあらたな和解を象徴するような訪問となっている。
こうした動きに対し、イランは非建設的だとして、遺憾を表明した。
今回もまたイランとの合意は棚上げになった形だが、その間もイランの核開発は続くのであり、イスラエルが特にシリア領内でのイラン勢力を破壊し尽くす作戦は継続されることになる。
8月28日のエルサレムポストの記事では、シリアが、イランに、シリア領内からイスラエルを攻撃しないでほしい。代わりにアメリカ軍基地(イラク)を攻撃してアメリカがイスラエルを抑制するようにしむけてほしいと要請したとのことであった。
イスラエルの攻撃を受け続けるシリアの本音がみえるようだが、シリアは、ロシアとイランの支援を失うわけにはいかないのである。
www.jpost.com/arab-israeli-conflict/article-715733
石のひとりごと:記者の本音?
イランとの問題は、ずるずるずると長く引きづられている感じである。これこそが、イランの作戦だとは最初の頃言われていたことである。イスラムの考え方は、約束が3代先になっても不思議はないと考えているほどに気が長いと聞いたことがある。
大事に至らなかったことはよかったのである。しかし、イラン核問題を追っている記者たちにとっては、「もういいから、終わったら起こして」という気分だとのコメントがあった。何度も緊張させられては保留になるのはもう何回目だろうか。そうこうしているうちに、いつかは、最悪の事態になるのか、はたまた本当に解決に向かうのか。そのうち、だれも記事を書かなくなるかも。。?