WHOがパンデミック宣言:新型コロナの危険性とは? 2020.3.13

出展:BBC

WHOが12日、新型コロナについて、「パンデミックといえる」と発表。各国での対策を強化するよう呼びかけた。13日現在、世界の感染者は、116カ国に13万1460人。死者は、4923人。イタリアを中心とするヨーロッパや、アメリカでの感染拡大が深刻になっている。

www.afpbb.com/articles/-/3273099

13日、カナダのトルド首相の妻が陽性とわかり、首相も隔離に入ったとの緊急ニュースが入っている。

www.bbc.com/news/live/world-51866403

新型コロナについては、症状が軽く、そのまま回復する人も少なくないと言われている中、なぜパンデミックなのか、なぜ、大国が過剰にもみえるほどの劇的な対処を講じているのか、その危険性について、具体的によくわからない人も少なくなかったのではないだろうか。

新型コロナの問題は、未だにまだ新型コロナの本性がわかっていない点である。肺炎症状に加えて、髄膜炎など中枢神経にまで影響するという報告が出始めている。

また、ワクチンも、有効な治療も確定しておらず、おまけに、感染のシステムも不明な点が多い中、感染力やスピードが、かなり速いという点である。ドイツのメルケル首相は、「専門家によると、いまだワクチンがない以上、いずれ、我々の60−70%は感染するだろう。」との見通しを語った。

www.bbc.com/news/world-us-canada-51835856

この見通しが実現してしまった場合、問題は、新型コロナの死亡率が、感染者の2−3%という点である。このまま感染拡大を止められなかた場合、日本では、最悪8400万人が感染し、医療崩壊が発生して、200−250万人が死亡する。

世界全体なら、76億人のうち1億5000万人近くが死亡するということである。このために、WHOが「パンデミック」を宣言し、世界諸国も今、劇的な対処で、感染の拡大を抑えようとしているのである。

テレビでも伝えられているように、すでに、今イタリアでの拡大が急速に進み、医療崩壊という現象で、自宅で重症患者が死亡していることが問題となっている。同様の現象は韓国でも指摘されており、韓国も感染と死者もまだ増える勢いを見せている。

じわじわと本物のパンデミックの様相になりはじめているが、発端の中国では、感染を抑えることに成功したと言っている。どこまで信用できるかだが・・・中国からイタリアへ、この”封じ込めに成功した”とする医師たちが、派遣された。この中国のチームに期待したいところである。

なお、日本を含め、あちこちから、優れた検査キットや、ワクチン、治療法に関する研究成果が報じられているが、人で実験できていないなどで、どれもまだ、目に見えた効果を発するところまではいっていない。

<世界経済への大打撃>

目に見えないウイルスだが、世界の経済活動から、戦争の匂いにいたるまで、すべてぜんぶを麻痺させた。

報じられている通り、ニューヨークでは、トランプ大統領が打ち出したコロナ対策案(英国以外のヨーロッパとの往来を停止など)に落胆する反応を示し、12日、ダウ平均が前日より2350ドル安と、史上最大の下げ幅を記録した。東京でもついに1万7000円代を下回ったとのことである。

www.nikkei.com/article/DGXMZO56743620T10C20A3000000/?n_cid=DSREA001

感染が広がっているヨーロッパでは、イタリアが17%、英仏12%と、のきなみ二桁の下落となった。このままの状態が続けば、世界中で企業が倒産し、職を失う人、住む場所を失う人、食べることも、住む場所もなくなる人があふれかえってくる。

さすが最悪に備えるユダヤ人である。ニューヨークのユダヤ教団体はすでに、この事態を見越して、スープキッチンの準備を始めているという。教会も、その心構えだけでもしておく必要があるかもしれない。。。

www.timesofisrael.com/preparing-for-worst-case-scenario-jewish-aid-groups-scramble-amid-outbreak/

<石のひとりごと>

新型コロナが、これからどうなっていくかは、まさに、今、ここ数週間の間に、世界が本物のパンデミックになるのを防げるかどうかにかかっている。

日本では、なぜか「まさかわたしがそうなるとは思わなかった」という、独特の楽観というか、目を閉じるシステムがあるのだが、この思いは捨てて、ともかくもできる範囲で、ウイルスを連れ込まないように努力するとともに、体力を維持して自らの免疫力を維持しながら、厚生省や、県の指示に従うことだろう。

しかし、この感染症が、まったく未知のものであるため、日本政府だけでなく、多くの政府が、混乱しているようである。政府を丸頼みにせず、自分で常識的に考えることや、将来何が起こりうるかを見据えて、それぞれが責任をもって、賢く動く必要もあるだろう。

私たち人類は、今、実は、自分は、すべてのことをコントロールできているのではなかったと、へりくだらされているのではないだろうか。天と地を支配しておられるのは主である。

今、この地上で、唯一、主に届く祈りを捧げることができる教会、また救われている一人一人は、今こそ、自分自身や自分の教会の安全という殻を出て、国や、世界のために日夜、真剣にとりなすときである。

まずは祭司である私たち自身の中に、悔い改める点がないかを主の前に問いかけ、自分の国、そして世界が、天と地を支配している神がいるということを知ることができるように。神があわれんで、命を救ってくださるように、とりなしていこう。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。