3回目総選挙まで10日:ガンツ氏も起訴!?2020.2.22

出展:Ynet Blue & White leader Benny Gantz (Photo: Moti Kimchi)

総選挙まで10日

イスラエルでは3月2日に、3回目の総選挙が予定されている。テレビ局などが世論調査を行った結果は、これまでとほぼ同じで、ネタニヤフ首相のリクードと、ガンツ氏の青白党が、ほぼ同じ議席数となっている。今のままであれば、連立を組んでも、どちらも過半数がとれないというこれまでと同じ結果になりそうである。

こうした中、マンデルビット司法長官が、ネタニヤフ首相の起訴を、選挙後の3月17日に行うと発表。同時に、ガンツ氏にも汚職問題がある可能性が持ち上がった。

ネタニヤフ首相起訴:選挙後の3月17日に開始

ネタニヤフ首相は、汚職、背任などの罪で、司法長官が起訴すること決めている。その日程が決まる前に、ネタニヤフ首相は、首相が、起訴されることはないとする法案を国会に提出していた。

しかし、国会でこれを通すだけの過半数がみこめないことから、ぎりぎりになってこの法案を取り下げたことから、マンデルビット司法長官は、3月17日から、ネタニヤフ首相の裁判を、エルサレム地方裁判所で開始すると発表した。

www.jpost.com/Breaking-News/Prime-Minister-Benjamin-Netanyahus-trial-to-open-on-March-17-617973

ガンツ氏も汚職?

国家検察局は、青白党ベニー・ガンツ氏が、政治に入る以前に経営していたサイバーテクノロジーの会社「5次元」が、刑事問題の可能性があるとして、マンデルビット司法長官に取り調べを行うよう要請を出した。

問題は、2019年3月にすでにチャンネル13が摘発していた件で、警察が、テクノロジーによるソルーションを、適正な競争にかけることなく、ガンツ氏の第5次元に決めていたことが問題とされた。

これが今まで問題にならなかったのは、総額5000万シェケルの取引中、ガンツ氏の第5次元が請け負ったのが、パイロットプログラムで、収益が400万シェケルにとどまっていたことと、捜査の対象が、第5次元の社員や、仲介人にとどまっていたからとも言われる。そこに警察の介入が疑われた。

しかし、第5次元は、その後、主に投資を受けていた先のロシア系企業が、トランプ大統領の経済制裁で破綻したことがきっかけで倒産したのであった。ガンツ氏は、一連のことで罪になるようなことはないと主張していた。

最終的にマンデルビット司法長官は、この件は、ガンツ氏を起訴する内容ではないとの判断を出した。

www.jpost.com/Israel-News/Prosecution-to-recommend-investigation-into-former-company-owned-by-Gantz-618148
ガンツ氏は、仮に首相となっていても、もし、この件で起訴されるようなことになれば、すぐに首相を辞任すると述べた。これは、起訴が決まっているのに、辞任しようとしないネタニヤフ首相への厳しい嫌味である。

www.timesofisrael.com/gantz-says-if-he-were-pm-hed-step-down-if-indicted/

石のひとりごと

第4回目の総選挙はありえないが、どうも結果は同じになりそうな気配である。しかし、なにがなんでも首相にという気迫がネタニヤフ首相にはあるが、ガンツ氏にはないかもしれない。神は、本人がどこまで本気で、それを望んでいるかをみられることが多いように思う。・・・と、これは、石のひとりごと。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。