開票結果:ネタニヤフ陣営58議席で過半数に達せず 2020.3.5

出展:ynet Alex Kolomoisky

まだ最終ではないが、ほぼ数えおわったところで(99%開票)、ネタニヤフ首相リクードは、予想を下回って36議席、ガンツ氏青白党は33議席であった。しかし、統一アラブ政党が躍進して15席となった分、右派政党ヤミナが議席数を減らしたので、ネタニヤフ首相の右派陣営は、58議席と、過半数に3議席も届かない形となった。

www.timesofisrael.com/with-almost-95-of-votes-counted-likud-gain-a-seat-to-36-shas-drops-to-9/

出口調査で、60議席と予想していたリクードは、あと1議席を、右派陣営から中道左派のガンツ氏側に移動していた議員の取り込み工作に着手していたのだが、3議席足りないとなると、これは容易に埋める数ではない。

一方、ガンツ氏青白党陣営は、アラブ政党と組むことは否定しているので、左派政党を合わせて47議席と、これまでと同様、過半数にはまったく届かない。

国民の多くは、ネタニヤフ首相とガンツ氏が、ともに統一政権を立ち上げることを望んでいるようだが、ガンツ氏は、選挙公約の大きなポイントが、「国に起訴されている人物が首相になってはならない」ということであるので、それを曲げることは、ほぼ不可能である。

では、4回目総選挙なのか・・ということになるが、国としてもそれはありえないことである。ガンツ氏は、昨年9月と同様、国会に、「起訴されている人物は首相になれない。」という法案を提出した。もしこれが通れば、ネタニヤフ首相は失脚し、ガンツ氏が残るしかないということになる。

ガンツ氏は昨年9月の選挙後にもこの法案を提出したが、この時は、イスラエル我が家党リーバーマン氏がこれに賛同しなかったため不発に終わった。リーバーマン氏は、統一政権を望んでいるからである。しかし、今回は4回目総選挙を避けるために、リーバーマン氏がこれに賛同する可能性もある。

ただし、この法案が論議されるのは、今回新しく選出された国会が就任する3月16日以降になるという。ちなみにネタニヤフ首相の裁判が始まるのは、その翌日の17日。大統領が、連立立ち上げの指名(おそらくネタニヤフ首相)をするのは、17日あたりと目されている。なんともぎりぎりのせめぎあいとはこのことであろうか。

今回、アラブ統一正統は、15議席と大躍進を遂げた。イスラエルは、ユダヤ人の国の国であるはずなのに、ユダヤ人どうしが争っている横で、アラブ系市民の力が伸びてきたということである。

ネタニヤフ首相は、アラブ政党は、イスラエルの教育システムの外にいるとして除外した上で、リクードが、前回9月の32議席(4月は35議席)から36議席と躍進したこと、右派が58議席であるのに対し、中道左派は47議席とであるとして、「ガンツ氏は、国民の意思に反して、自身が首相になることを妨害している。」と、ガンツ氏を非難した。

しかし、ガンツ氏が提出したのと同様の法案が、2008年に、当時、汚職で訴えられていたオルメルト首相に対して出されたことがあった。この時、ネタニヤフ首相はこれに賛同したのであった。当時もこの法案が国会で通ることはなかったが、オルメルト首相は、起訴が開始される前に辞任している。

いずれにしても、今回もまたネタニヤフ首相が、時間かせぎのために、国会を解散して再選挙ということもまったくないわけではなく、ふりだしに戻ったに近いということである。

www.timesofisrael.com/netanyahu-claims-gantz-trying-to-steal-vote-over-bill-to-block-him-from-power/

<なぜか・・・イスラエル政治家を日本語アニメで表現>

今のイスラエルの政治家らのやりとりを表現したアニメ作品(7分強)が公開された。

ネタニヤフ首相、ガンツ氏、リーバーマン氏ら、政治家たちが登場するアニメだが、アニメといえば日本なので、登場人物が使っているのは日本語である。ただし、政策したのは、アニメ好きのイスラエル人である。

ネタニヤフ首相とガンツ氏が日本語しゃべるのは、ここだけだろうと揶揄されている。しかし、内容はどうにもさっぱりわけわからんという感じ。

www.timesofisrael.com/original-anime-video-pokes-fun-at-israeli-politicians/

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。