過越備えでさらに外出規制強化:感染者4247人:死者15人(3人増)2020.3.30

出展:ハイファ・ランバンホスピタル

新型コロナ世界情勢

世界の感染者は、72万2196人、死者は、3万3976人と、新型コロナの拡大は止まらない。このうち、アメリカの感染者は、14万2178人、死者は2484人と突出している。

アメリカの中でも突出しているのが、ニューヨーク州で、感染者5万9648人と全米感染者の半数に近づいている。死者も、965人と全米の3分の1以上になっている。

トランプ大統領は、2兆2000億ドルの経済投資を決め、これ以上の経済封鎖は、企業の倒産や、失業者を生み出し、コロナ以上の自殺者を出す可能性も出てくるとして、ニューヨーク州の封鎖を思いとどまると発表していた。また、4月のイースターまでには元にもどるとの楽観視を述べた。

www.nytimes.com/2020/03/29/us/politics/trump-coronavirus-guidelines.html?action=click&module=Spotlight&pgtype=Homepage

するとニューヨーク州のクオモ知事は、「トランプ大統領の宣戦布告だ。」と激しく反発。トランプ大統領は専門家より、アメリカでは、最善を尽くしても、4月末までに20万人の死者が出るとの試算報告を受けたこともあり、発表を撤回。外出規制を4月30日まで延長すると発表した。

アメリカのCDC(疾病センター)は、ニューヨーク州、ニュージャージー州、コネチカット州へ入ることの自粛を勧告している。ニューヨーク州では、国際会議場はじめ、複数の会場に巨大な特別医療センターの建設を急いでいる。

edition.cnn.com/2020/03/28/politics/trump-new-york-new-jersey-quarantine-coronavirus/index.html

ここでは医療従事者とともに、国防軍兵士も働くことになっている。アメリカのニュースを見ていると、まるで映画を見ているような緊張感がせまってくる。

なお、WHOは、今後、いよいよアフリカや中東など、医療体制が整っていない地域への拡大が始まっており、深い懸念を表明している。

イスラエル感染者4247人:死者3人増で15人

イスラエル保健省によると、発表前24時間であらたに628人が陽性となり、感染者は4247人となった。このうち軽症者は、3944人。死者は3人増えて計15人。重傷者が急増中で、現在74人。中には、基礎疾患がない22歳代の重傷者がいて、両親は、息子のそばにいられないことで相当苦悩されている。

www.ynetnews.com/article/A6JJY6XBX

新たに亡くなった3人は、いずれも基礎疾患のある高齢者で、ブネイ・ブラックの女性パール・ヴィツェルさん(94)、エルサレムの男性モルデハイ・ベン・ミカエルさん(92)、女性シャルマン・アルベルさん(84)。

イスラエルは、まだ国家封鎖には至っていないが、10日ほど先に来る過越に備え、国内での外出制限はますます厳しくなっており、遠隔労働が不可能な職場での労働可能人数は、通常の15%にまで下げられるみこみである。

イスラエルは、とにかくできるだけ多くの人の検査を行うとして、ネタニヤフ首相は1日3万件を指示している。現時点で、1日6000件で、今週中にも1日に1万件に達するみこみ。本日から、3箇所の拠点から、アットランダムに、なんの症状もない人の検査も開始するとのこと。

医療従事者で感染が確認された人は141人。濃厚接触などで、自宅隔離になっている医療従事者は3637人。このうち892人が医師で、1229人が看護師。このままでは、救急で搬送されてくる新型コロナ肺炎以外の負傷者や病人の治療ができなくなる可能性も指摘されている。

www.jpost.com/breaking-news/3865-israelis-have-been-diagnosed-with-coronavirus-622764

100万人が失業:リスク別に分けて隔離レベルを変える意見も

イスラエルは、まだ封鎖作戦が続けられているが、失業者がまもなく100万人に達する勢いであることから、経済崩壊への危機感も高まっている。このトンネルからどうやって出てくるのか、先が見えない中、モービルアイ社CEOのアムノン・シャシュア氏は、重症化するリスクの高い人と、低い人で、規制の度合いを分ける作戦を提唱する。

すなわち、重症化のリクスが高い人をきっちり隔離しつつ、リスクの低い人は隔離せず、経済活動を続けてもらう。感染者は増えるだろうが、軽症で終われば、人は自然に免疫を得ることになる。市民の大半に免疫ができたところで、ハイリスクの人も隔離から解放するという作戦である。

www.calcalistech.com/ctech/articles/0,7340,L-3804653,00.html

しかし、この手法では、感染がどう増えるのかは推測できず、また今後、ウイルスが変化していく可能性もあり、爆発的感染になって手に負えなく可能性も0ではない。うまくいくかどうかは、大きな賭けといえるだろう。今の所、イスラエルの保健省は、厳しい移動制限を続ける方針である。

アラブ系住民地域との格差

新型コロナの感染について、統計による分析が行なわれ、興味深いことが判明した。イスラエルの感染者発生が、ユダヤ人地域と比べて、アラブ人居住区では極端に少ないということである。これは、感染が少ないのではなく、検査を受けていないということである。

これは、多少日本にも通づる点で、アラブの文化では、いったん感染が発覚すると、差別や風評被害に会うため、検査を避ける傾向にあるという。検査をしないと、感染源が不明なケースが出てきて、結果的に爆発的な感染につながっていく可能性が懸念されている。

www.haaretz.com/israel-news/.premium-israel-s-coronavirus-blind-spot-the-arab-community-1.8720161

メシアニックの人々:神の家族は家庭が基本(メノー・カリシャー牧師)

ニューヨークと同様、イスラエルでも厳しい外出規制が実施されているので、メシアニックの教会も、集まれない状況が続く。エルサレム市内のある教会でも、ここ2週間、礼拝が行われていない。それぞれが家で礼拝している。*メシアニックの教会は多数あるので、これはただ一つの例としてご理解ください。

こちらは、ニューヨークのように、オンラインの準備ができていなかったので、今、ソーシャルメディアでつながりはじめている。

現時点で、200人上がワッツアップでつながり、教会のリーダーシップからの報告や、祈りの課題が届くようになっている。昨日、エリさんのアメリカにいる姪、ヤディラさんがコロナに感染し、意識不明の重体なので至急祈ってほしいとのリクエストが来た。

子供ミニストリーからは、子供たちのケアをサポートするグループも立ち上がっている。

家から出られないということの最も大きな課題は、複雑な家族関係だという。家族関係に課題にある人にとって、外出規制はやはりかなり厳しい。これはまだ大きくは表面化していないが、おそらく日本でも同じだろう。

しかし、アウトドア派で、日本人の何倍もやかましく走り回るイスラエル人の子供たちや、ティーンエイジャーを抱える家族は一体どうしてこの時をすごしているのだろうか。家庭内暴力の急増が指摘されているところである。

また、特に、家族に反対されつつイエスを信じるユダヤ人にとっては、礼拝も集会もない中、非常に苦しい毎日であろう。

以下は、エルサレムアッセンブリーのメノー・カリシャー牧師が、自宅から、教会指導者からとして、ヘブライ語で、教会員に送ったメッセージである(5分)。要約は以下の通り。

イスラエル人が皆、家から出られなくなっているということは、ビリーバーに対する神からの試験(テスト)です。

その一つが、家族関係。通常は昼間仕事して夜だけ、家族に会うが、今は四六時中、妻や子供達とともにいることになりました。互いを認め合い、互いの場所をつくらなければならなりません。夫として妻として、子供たちの前でどう模範を示すのかを試されています。

(そう言いながら、メノー牧師は、特に子供達の両親のために、愛と忍耐が与えられるようにと祈っている。)

「神の家族は、まずは家庭から始まる。」ということを思い出してください。子供達に、それを教える良い時です。忙しくて、聖書を読む時間がないと言っていた人。今外は、何も開いてない。今はチャンスです。子供達や家族とともに聖書を読み、ともに祈るときを持ってください。

その際、威圧感の中でなく、ただ静かにともにすわってみことばを読み、静かにともに祈ります。子供達もそこにきっと座るはず。すべての疑問に答える必要はありません。ただ、理解し、赦し、受け入れます。この時を通して、互いの関係が深まるとともに、主ご自身をもっと深く知ることになるでしょう。

今の時は、人間だけで作り上げた用事にあふれていた世界に、神が「ダイ・マスピック(もう十分)。」と言われているのです。神を無視して、自分の力だけで生きるおもいあがりに、神がストップをかけられた。今へりくだる時。悔い改める時です。

また、オンラインで教会とはつながり、ともに必要のある人々を助けていきましょう。

主の前に、この灌難から守ってくださるよう祈りましょう。同時にそれぞれの使命を果たせるように。主にけっして無駄はありません。毎日、主をほめたたえてください。主だけが本物の神であり、皆様を愛しておられるお方です。

エルサレムアッセンブリー:英語サイト http://jerusalemassembly.com ヘブル語サイトもあり

エルサレムアッセンブリーの伝道クリップ(Youtube) なぜ私たちはメシアが必要か(ヘブル語)

石のひとりごと

今日、国民的コメディアンの志村けんさんが新型コロナで死亡した。発症してからわずか1週間だった。新型コロナの恐ろしい点は、発症して重症化した場合、その進行が非常に早いということである。今までともにいた人が連れ去られ、病床に行くこともできなくなり、会えないままで別れになってしまう。あまりにも残酷だ。

新型コロナの恐ろしい点は、感染した人の大半は軽症だということである。人々に油断させる背後で、確実に取る命はとっていく。またトランプ大統領が懸念することも、間違いではない。今後、経済の破綻から、コロナ以外の理由で死んでいく命もでてくるだろう。

もはや、私たち人間の手には負えない事態になってきているのである。その中で、メノー牧師の話には気づかされることもあった。終末論ではなく、この危機によって、私たちの生活、家族とは何か。何を希望として何をしてきたのか。それらが消え去り、虚しくなる今、内にあるものが、どんどん明らかにされているのではないか。

メノー牧師がいうように、ダイ・マスピック。原点に戻ってへりくだれと言われているのかもしれない。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。