衝突多発中:テルアビブでもテロ 2015.10.8

火曜夜から、雨が降り始めたが、テロや衝突は減るどころか、エルサレムからテルアビブなどにも広がって、多発しはじめた。収拾つかない、といった感じである。ネタニヤフ首相は、予定のドイツ訪問をとりやめ、対策に追われている。

<テルアビブ近郊>

火曜夜、テルアビブのヤッフォ(人口の約30%がアラブ人)で、パレスチナ人らが神殿の丘をめぐる不満をイスラエルに向けるデモを行った。デモは途中から、バスなどに投石。警察に火炎瓶を投げるなどの暴動となり、これを取り押さえようとした治安部隊兵士3人が負傷した。

水曜午後、アシュケロンに近い、テルアビブ南部キリアット・ガットで、アラブ人が、兵士を刺し、その銃を奪おうとした。兵士は、銃を取り返そうとしたが、テロリストは付近のアパートに逃げ込み、玄関が空いていた部屋に入り込んだ。

犯人は、駆けつけた警察官に発砲してきたため、侵入先のキッチンで警察官が射殺した。テロリストは、ヘブロン山中在住のパレスチナ人で、イスラエルへ侵入していたものとみられる。

突然、こうした事件が自宅のキッチンで繰り広げられた家には、若い母親と乳児がいたが、2人とも無事。

www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/201526#.VhUfZqUWnA8

さらに水曜夕方、ペタ・ハティクバで、男性が刺された。テロリストは、その場で取り押さえられた。犯行履歴のないパレスチナ人タマル・アフマド・ダレダット(25)。ヘブロン在住と判明。

水曜夜になり、ロッドで、パレスチナの旗を掲げたアラブ人らが、反イスラエルのデモを始めている。その向かい側では、ユダヤ人たちが、テロに反するデモを行っている。

www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/201544#.VhVnlKUWnA8

<エルサレム旧市街> http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/201522#.VhURl6UWnA8

エルサレム旧市街では、水曜午後、先のテロと同じ、イスラム地区の通りで、男性(36)が、うしろからしのびよった女性テロリスト(18)にナイフで襲撃され、中等度の負傷。男性は重傷となりながらも、女性を撃ち、重傷を負わせた。

女性テロリストはイスラエルの病院へ搬入されたが、病院敷地内で、女性の家族と警察が衝突している。

<東エルサレム・西岸地区> http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/201525#.VhUV2KUWnA8

水曜午前中、エルサレム西岸地区テコアからエルサレム市内へ、車で向かっていたイスラエル人の女性リビ・レブ・オハヨンさん(38)が、10人以上の顔をおおったパレスチナ人らに投石された。

暴徒は女性を引きずり出してリンチしようとしたが、リビさんはなんとかドアを閉めて走り去る事ができた。しかし、車は窓ガラスがこなごなに破壊され、リビさんは頭から血を流していて、恐ろしい状態になっていた。

リビさんは、搬送先の病院で「覆面のパレスチナ人たちを見たとき、ついに私の番が来た、娘たちが母親を亡くすと思った。今、生きているのは奇跡。」と語っている。

なお、テコアの住民は、現在、外出禁止となっている。*テコアはエルサレムから車で20分程度

夜になってからは、マアレイ・アドミム(エルサレムから車で10分程)の入植地の検問所で、パレスチナ人の車がイスラエル人をひき殺そうとし、取り押さえられたというニュースが入って来ている。

東エルサレムでは、ラマラに続くカランディアの検問所で大きな紛争となり、パレスチナ人12人が負傷。ベテルでも大勢のパレスチナ人とイスラエル軍兵士が乱戦状態になっている様子が報じられている。

この他、ヘブロンとベツレヘムでも同様の暴動が発生したとチャンネル2。

ベテルでパレスチナ人を逮捕する治安部 http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/201529#.VhUepaUWnA8

www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/The-spirit-of-the-intifada-with-restraint-on-both-sides-421120

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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