深刻化する西岸地区情勢:ヘブロン、ラマラで戦闘も 2021.5.19

A Palestinian man returns a teargas cannister during protests against Israel's occupation and its air campaign on the Gaza strip, in the occupied West Bank town of Hebron May 18, 2021. - The UN Security Council was to hold an emergency meeting amid a diplomatic push to end the devastating conflict between Israel and Gaza's armed groups that has killed more than 220 people, most of them Palestinians. (Photo by HAZEM BADER / AFP)

パレスチナ自治政府は、西岸地域全域にスト(店舗などの閉鎖)を指示。このため、ラマラ各地でイスラエルとの衝突が発生。東エルサレムや、イスラエル国内のアラブ人もストを行ない、緊張が高まっている。

ラマラ近郊でパレスチナ人2000人が暴徒化:パレスチナ人3人死亡:イスラエル兵2人負傷

西岸地区ベイトエルとラマラへの入り口にあたる地域でパレスチナ人2000人ともみられる群衆が暴徒化し、イスラエル兵2人が足などに銃撃を受けて負傷した。このやめ、イスラエル軍が実弾で対応。少なくともパレスチナ人3人が死亡。70人が負傷した。

イスラエル軍によると、少なくとも2人がそれぞれライフルを持っていて、イスラエル兵を銃撃したとのこと。チャンネル12によると、規模はこれが最大だが、同様の衝突は西岸地区25箇所で発生している。

東エルサレムでも衝突

18日には、東エルサレムのダマスカス門でもパレスチナ人らが、治安部隊に投石や火炎瓶を投げつかたため、8人が逮捕された。シェイカ・ジャラでは、数百人が暴徒化。治安部隊は、放水車などを使って沈静化を図っている。

ヘブロンでパレスチナ人が軽機関銃で攻撃

ヘブロン近郊の難民キャンプでは、17日夜、18歳のパレスチナ人が、胸に銃撃を受けて死亡。状況は明確でないが、イスラエル軍によると、軍車両に向かって火炎瓶を投げてきたため戦闘になったもようである。

ヘブロンでも18日、パレスチナ人が、軽機関銃でイスラエル兵に向かってきた。イスラエル軍が射殺しようとしたところ、手に持っていたパイプ爆弾が爆発したとのこと。死亡したこのパレスチナ人は、ナイフも所持していたということで、敵意の深さを表していた。

西岸地区各地で衝突:パレスチナ人に死者も

衝突は東エルサレムや西岸地区各地で発生しているもようである。18日、東エルサレムのシェイカ・ジャラで、イスラエルの治安部隊に車が突っんで警察官7人が負傷するテロが発生したが、続いて、西岸地区北部のハワワでも、軍用車に車が突っ込むテロが発生した。イスラエル兵に怪我はなく、車を運転していたパレスチナ人は、逮捕された。

www.timesofisrael.com/2-soldiers-shot-in-west-bank-palestinian-killed-by-gunfire-amid-unrest/

イスラエル軍によると、ハマスとの戦闘が始まってから9日の間に、西岸地区やイスラエル国内での暴動で死亡したパレスチナ人は24人。イスラエル兵へのテロ行為で射殺された者もあれば、治安部隊との戦闘の中で死亡した者もいる。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。