波乱の第24国会就任 2021.4.10

就任後、国歌ハティクバを歌う議員たち スクリーンショット

リブリン大統領が、連立樹立をネタニヤフ首相に委任した同じ日の午後、総選挙で選ばれた第24国会の就任式が行われた。以下は就任式の中継ビデオ。赤絨毯が国会前に敷かれ、大統領、国会議長らがまず国会に入場している。

リブリン大統領は、これまでの7年間の在任中に就任した国会が7会目になると延べ、「国はリーダーを求めているのに、いまだにリーダーがいない。互いに尊敬しあい、互いの責任を果たすパートナーシップを見出さなければ、国の回復は望めない。」と新しい第24国会議員たちに向かって訴えた。

就任式は、聖書に基づく形の就任式で、50:36 ぐらいでベングリオンの音声(ユダヤ人の国とはっきり聞こえる)も流されている。

この後、それぞれが呼ばれると席で立って、「誓います」と宣誓をするのだが、アラブ統一政党のサミ・アブクファディ氏は、「あくまでも人種差別と戦う」として、国への忠誠を誓わなかった。(上記ビデオ1:0045あたり) 議長から、「今は議論する場ではない。とりあえず、「誓います」と言いなさい。」と言われている。

エルサレムポストが伝えたところによると、この議員は、後で、イスラエルの国家ハティクバを歌う際、国会から退出したとのこと。

これについて、宗教シオニスト党に加わった極右のベン・グブール氏は、「国に忠誠を誓わない者は国会から出ていくべき。彼らをラマラ(パレスチナ自治区)かガザへ送るべき。」と要求したという。

ニューホープ党のハスケル氏は、人工授精でようやく授かった乳児連れた姿で宣誓。ラアム党のアッバス氏は、健康上の問題として、国会の就任式に出席できず。

さらには、国会終了後、シャス党のアリエ・デリ氏、ヤアコブ・リッツマン氏が、議員を辞職し、リストの次の議員と交代したとのこと。

リブリン大統領の訴えはどこ吹く風で、誰も道を譲る様子はなく、国会はかなりのバラガン(混乱)だったようである。

5回目の選挙になれば、国会は解散なので、すでにやる気なしというところかもしれない・・。

www.jpost.com/israel-news/politics-and-diplomacy/israels-24th-knesset-is-sworn-in-664286

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。