東京パラリンピックに33人:ドルーズ族選手・アラブ人選手も共に 2021.8.20

イスラエルの旗の元で出場するアラブ系のイヤド・シャラビ選手とその父親(2016年リオ) 写真:イスラエル・パラリンピック委員会
オンラインでチームを激励するベネット首相Koby Gideon (GPO)

まもなく始まる東京パラリンピック。イスラエルからは、11競技に33人が出場する。日本へは、選手だけでなく、役員たちと医療チームも同行する。

19日、ベネット首相は、トロッパー文化スポーツ相とともに、オンラインで選手たちを激励した。

今回の選手団の中には、リオ・オリンピックでメダルを取った選手が2人が含まれており、東京でハティクバが流れることが期待されている。またメンバーの半数は、過去にパラリンピックに出場経験がある選手たちとのこと。

射撃のドロン・シャジリ選手(54)は8回目のパラリンピック出場。車椅子テニスのシャラガ・ウエインバーグ選手(55)も5回目の出場。銀と銅メダルをとったことがある。水泳では、脳性麻痺のある2人の兄弟が出場する。それぞれが、感動的なストーリーを持っている。

今年は、3人のアラブ人選手が含まれている。一人は、史上初となるドルーズ族の選手である。

水泳のイヤド・シャラビ選手(34)は、シャファ・アミール出身。生まれつき耳が聞こえない。さらに12歳で屋根から落ちて胸から下が麻痺した。パラリンピック出場は4回目である。

ゴールボールのエルハム・マハミッド選手(31)は、イスラエルに敵対心が強いアラブ人地区ウム・エル・ファハン出身。重篤な視覚障害を持って生まれた。今は結婚してハデラに住んでいる。イスラエルの旗の元で戦うことに誇りを持っていると語る。

今回初めてドルーズ族から水泳で出場するのは、ダリアット・カルメル出身のバシャール・ハラビ選手(25)ハラビ選手は、未熟児として生まれた時の障害で、下半身が麻痺している。今回が初出場である。

イスラエルと日本でも新型コロナの感染が拡大している中、選手の中にはハイリスクに数えられる人もいる。しかし、選手たちは健康で、検査も毎日するので、心配はないとイスラエルのオリンピック委員会ロン・ボロティン氏は語っている。

www.timesofisrael.com/rowing-shooting-wheelchair-tennis-israel-sets-its-sights-on-the-paralympics/

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。