新型コロナ・終息への3つの指針:ネタニヤフ首相が国際社会と連携呼びかけ 2020.3.10

ראש הממשלה בנימין נתניהו מקיים שיחת ועידה עם מנהיגים באירופה בנוגע לנגיף הקורונה משרד החוץ בירושלים Photo by Kobi Gideon / GPO

9日、イスラエルでの感染者は50人となった(パレスチナ自治区は26人)。イスラエルでは、9日から、入国後14日間の自主隔離を、アメリカを含むすべての国と最大限の隔離政策を開始。空港は閑散としている。

国際社会では、死者が1日で133人、計366人と急増しているイタリアでは、戒厳令ともいえる国全体を隔離する方策にふみきった。

世界が自主隔離して経済活動が停止していることから、各国で株価が大幅に下落。原油価格も下落。日本では、円高がすすみ、コロナ以上に経済の混乱が危機的な様相を見せている。

これら今、起こっている事柄に対処するだけでは、もはや解決にはならないだろう。どうしたら、一刻も早く、新型コロナ感染の拡大を止められるのか。明確な指針を提示、実施していくことで人々の未知への恐怖を緩和していくことが必要だ。

ネタニヤフ首相は、アメリカのペンス副大統領、ホワイトハウスのコロナ担当デボラ・バークス博士と継続的に連絡を取り合い、両国で、この問題に対処する技術開発を急いでいると。その上で、9日、ネタニヤフ首相は、ヨーロッパ首脳とのビデオ会談を実施した。

<ネタニヤフ首相が提示する終息への指針>

ネタニヤフ首相は、ヨーロッパ首脳たちに対し、新型コロナウイルスの終息に向けた3つの指針を提示。協力していくことを呼びかけた。この会議に出席した首脳と、ネタニヤフ首相が提示した指針は以下の通り。

オーストリアのクルツ首相、キプロスのアナスタシアデス大統領、イタリアのコンテ首相、ブルガリアのボリソブ首相、ハンガリーのオルバン首相、クロアチアのプレンコビック首相、ルーマニアのオルバン首相。*これらの首脳たちは、先のアウシュビッツ解放75周年記念でエルサレムに来た首脳たちである。

①感染者を割り出すための検査技術開発

妊娠テストのように、人々が自分で陽性化どうかの検査を行うためのキットを支給開発する。早期に治療を始めることができるし、陽性の人だけを確実に隔離するので、盲目に陰性の人の動きを止めることもなくなる。

これが最も優先させる技術であるため、イスラエルは、技術者やアイディアを集めているという。

②物資供給維持のための安全空港・拠点の確立

国々が自主隔離して、人だけでなく物資の供給が遮断され始めている。これがあらたなパニックを生むことになる。物資の遮断を防ぐため、完全に安全とされる空港や拠点を確立していく。

安全な拠点を確立するため、施設全体をがっちりこすって、一日中、なんども定期的に消毒する。そこで働く人々の検査も継続して行う。これは中国政府が実施している方策である。(中国では爆発的な感染拡大が終わっている)中国では、産業それぞれが、今もこれを実施している。

ヨーロッパ各国でもこれが実施できれば、飛行機を飛ばすことが再び可能になる。またその拠点で、首脳や技術者が会議を開くこともできる。

③成功例のシェア

それぞれの国で、なんらかの成功例があるはず。それらを皆で分かち合ってほしい。ネタニヤフ首相は、イスラエルの連絡先として、スロビック少佐という人物を窓口にしたとして、各国からも窓口となる人物の提示を求めた。

ネタニヤフ首相は、これらの動きの後、首相府においてリッツマン保健相、バル・シモン・トーブ保健省長官、ババッド経済省長官、デリ内務相、コーヘン経産相、ベン・シャバット国内治安長官、ロッテム外務省長官とともに、連絡会議を行った。

その骨子は、①国の遮断について、アメリカの理解を得ていること、②アメリカの技術者との連絡も含め、感染や医療、生物学などの専門家による対策が検討されていること、③イスラエルは今の所、コロナをコントロールできているとの見解を述べた。

その上で、国民に対しては、フェイクニュースに踊らされず、国の保健省の情報を信じることを求め、これまで、協力してくれていることに感謝すると述べた。

*以上は、イスラエル政府プレスオフィスからの情報である。

<石のひとりごと:ネタニヤフ首相のリーダーシップ>

ネタニヤフ首相は3月17日からの汚職等の裁判に直面している他、青白党のガンツ氏とリーバーマン氏の挑戦で、いよいよ降板になる可能性にも直面している。

にもかかわらず、今、国の危機にあって、これだけのリーダーシップを発揮している。その精神力の強さは、どこからくるのだろうか。彼のうちには、やはり、自分を超えた、イスラエルという国に対する深い愛があるのだと思う。

イスラエルは、常に先手を行かなければ、生き残れない国である。今起こっている現象に振り回されず、生き残るためには今、何をしなければならないのか、何を優先しなければならないのかを常に考え、国民に伝える。ネタニヤフ首相の提示する3点で、なんとなく納得と安心感を感じないだろうか。

また、さらに国内だけでなく、国際社会にも呼びかけたところがすごい。世界に嫌われているとしても、世界の中にいることにはちがいない。自分だけ生き残ることだけにはとらわれず、世界のためにも技術を開発すると言っているのである。まさに恨みにとらわれる余裕がなかったイスラエルの姿勢である。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。