平和への願い:故ラビン首相暗殺から20年 2015.11.2

30日土曜夜、テルアビブのラビン・スクエアで故イツハク・ラビン首相暗殺から20周年を記念するイベントが行われた。

イベントには、クリントン前米大統領の他、リブリン大統領、ペレス前大統領、エフード・バラク前首相と左派系指導者が出席。オバマ大統領もビデオでメッセージを伝えている。集まった人々は10万人とも伝えられている。

故イツハク・ラビン首相は、1993年、イスラエルの宿敵ともいえるPLOのヤセル・アラファト議長と握手し、パレスチナ人との共存に向って、歴史的なスタートを切った。その翌年の1994年には、ヨルダンのフセイン国王とも和平条約を締結している。いずれの場合も、クリントン大統領がその仲介を担った。

いつまでも断絶しているだけでは平和は実現できない。ー ラビン首相は、これまでテロリストとは絶対に交渉はしないとの方針を貫いて来たイスラエルの常識を破り、PLOを代表とするパレスチナ人を隣人として認め、その独立を助けることで、平和を実現する道に賭けたといえる。

しかし、20年が経過した今、そのラビン首相の願いは見事に裏切られたと言うほかはない。アラファト議長との合意の後、なくなると期待されたイスラエル人へのテロは逆に増え、今またパレスチナ自治政府とは断絶状態である。ガザとは毎年のように戦争になっている。

そのためか、イベント自体は感動的ではあったものの、会場に覇気がなかったなどと、翌朝にはすでにさめた記事が出回っていた。

www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4718820,00.html

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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