国内騒乱の恐怖:国内で続くアラブ人とユダヤ人の衝突 2021.5.17

ガザとの戦闘が激化しているが、イスラエル市民の最大の恐怖は、国内のアラブ人暴徒、そしてユダヤ人暴徒による暴力である。どこで襲われるかもわからない。特にアラブ人地区と隣り合わせの地域にいる知人たちは、その恐怖を語っている。

東エルサレムで車突っ込みテロ:警察官7人負傷

東エルサレムのシェイカ・ジャラで、パレスチナ人の乗った車が、国教警備隊(警察)の検問所に突っ込むテロを行い、警察官7人が負傷した。1人は銃撃を受けたテロ行為の運転手が反撃で使った銃撃による怪我であった。パレスチナ人の運転手はまもなく死亡した。

シェイカ・ジャラは、長い裁判の中で、退去命令になる可能性があるとして、パレスチナ人が反発し、今回のアラブ人とユダヤ人の対立暴走の大きな原因の一つになった場所である。この地域は今もパレスチナ人と極右ユダヤ人の対立が続くホットスポットである。

www.timesofisrael.com/7-cops-hurt-in-car-ramming-in-jerusalems-sheikh-jarrah-attacker-shot-dead/

ヤッフォで火炎瓶被害:アラブ人少年(12)重症

モハンマド君
出典:シェバ医療センター

14日、テルアビブ南のヤッフォで、アラブ人の家屋に火炎瓶が投げ入れられ、中にいた10歳の少女が軽症、12歳のモハンマド少年が、大火傷の重症となった。一時命の危険があると懸念されたが、なんとか持ちこたえたとのニュースが入っている。

警察によると、火炎瓶を投げ入れたのが、ユダヤ人なのかアラブ人なのかは不明だという。アラブ人が間違ってアラブ人の家に火炎瓶を投げ入れた可能性も否定できないとのこと。

なお、この事件の後、ヤッフォでは、アラブ人たち300人ほどが親パレスチナのデモを行なった。平和的なもので暴動にはなっていない。

なお、モハンマド君はテルアビブのシェバ医療センターに搬送され、主にユダヤ人医師たちの医療ケアを受けている。幸い、脳、肺、心臓への障害はないとのこと。主治医のイタイ・ぺサハ医師は、モハンマド君はアラブ人、ユダヤ人になんの差別もない医療ケアを受けていると語る。

一方、両親は、国や、あるグループの人に対する怒りを表明するというよりは、こんな状況が続き、その犠牲が子供達にきたというところに怒りを表明しているとのこと。

www.timesofisrael.com/12-year-old-burnt-by-firebomb-amid-arab-jewish-violence-sees-condition-improve/

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。