和平交渉:次回は2週間後 2013.7.31

29日、イスラエルのリブニ法相とモルホ氏、パレスチナからはエレカット氏がワシントンに到着。ケリー国務長官がホストとなり、共に夕食の時を持った。

翌30日、かつて駐イスラエル米大使を務めたインディク氏がアメリカ代表として同席し、リブニ氏、エレカット氏が約2時間、会談した。その後、ケリー国務長官が最後の1時間加わって、総まとめを行い、3者そろっての記者会見が行われた。

合意したのは、今後9ヶ月を期限として、国境線、エルサレム問題、パレスチナ人の帰還など、すべての重要項目を、話し合うという点である。次回の会議は、パレスチナ自治区かイスラエル領内で、2週間以内に行う。

記者会見において、エレカット氏は、「パレスチナ人は十分苦しんだ」といい、リブニ法相は、「ここに来るのにネタニヤフ首相がどれほど勇気ある決断をしたか。悲観的な意見が優勢だが、次世代のために紛争を終わらせなければならない。」と語った。

ケリー国務長官は、「妥協」について新しい概念を持たなければならないと語った。「妥協」はマイナスのイメージだが、双方にとって益になることだと考えなければならないと語った。イスラエルの治安の必要は認め、それはパレスチナにとっても益になると語った。

しかし、どう考えても答えが出そうにない問題ばかりである。これまでは、何度話し合ってもテロや、イスラエルの西岸地区での建築問題が障害となり、話し合いはいつも頓挫していた。とりあえず9ヶ月は、何が何でも話し合いを続けるというところが今までとは違う点である。

なお、報道やテロからの妨害を避けるため、話し合いの内容を発表するのはケリー国務長官に限られる。イスラエル、パレスチナ当事者からの情報は出さないことになっている。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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