南部ガザで軍事衝突発生 2018.2.18

北部国境が緊張している中、南部ガザ地区でも軍事衝突が発生した。

17日土曜午後、ガザ地区との国境のフェンス付近で、不審なパレスチナの旗が見つかったため、イスラエル兵らが近づいたところ、仕掛けられていたとみられる爆弾が爆発。イスラエル兵4人が負傷した。2人が重症、2人が中等度である。

www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5118147,00.html

これを受けてイスラエル軍はただちに戦車から砲撃。空軍は、ガザ全域で、ハマス関連拠点6カ所を爆撃した。攻撃目標は、地下トンネル、武器庫、武器製造工場、軍事拠点などである。

すると夕刻、ガザからロケット弾が発射され、ガザ周辺イスラエル領内、シャアル・ハネゲブの家屋の屋根を直撃した。この家の住民で、幼い子供もいる一家は、中にいたが、幸い、ロケット弾が爆発しなかったため、屋根が損傷しただけで、負傷者はなし。まさに奇跡だったと父親のアモスさんは言っている。

さらにこの後、ガザからパレスチナ人少なくとも4人が、イスラエル人居住地域に侵入。イスラエル軍が、これを見つけて戦車砲などで対応した。パレスチナ人2人が負傷し、病院に搬送された。

これら一連の事件発生時、ハマス幹部はエジプトを訪問中で、エジプトがイスラエルとハマス両者にエスカレートさせないよう、仲介をこころみている。

www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5118625,00.html

なお、ガザとイスラエルの間のフェンス周辺では、ここ数週間、若者たちがパレスチナの旗を掲げてイスラエル軍に投石するなど暴力的なデモが続いていた。仕掛けられていた爆弾は、そのデモの現場近くにあったことから、デモに参加した若者が設置したとみられている。

イスラエルは、デモはハマスが煽るものであり、爆弾についてもハマスの責任だとしている。

<イスラエル軍からガザ住民へ警告>

COGAT(ガザとの検問所を管理する人道支援など政府活動をコーディネートするイスラエル軍の部署)のモルデハイ・ヨアブ総司令官は、事件発生後、ソーシャルメディアを通じて、ガザ住民らに、目を醒ますようにとメッセージを送った。

ヨアブ総司令官は、「イスラエルは本気で攻撃する。今回、ハマスの重要な施設を破壊した。ハマスが言うように、フェンス近くでデモを行うことが、将来の希望につながることはない。ハマスに騙されてはならない。

旗に包まれた爆弾がハマスの臆病を表している。彼らはあなた方を利用している。ハマスにあなた方を地獄に行かせてはならない。」と警告した。

また、「あなた方の生活を改善すべきあなた方の資金、あなた方がハマスに支払っている資金を、ハマスはトンネルなどの軍事目的や、幹部のぜいたくな生活に利用している。」とも訴えた。

www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/242058

アメリカのグリーンブラット中東特使によると、ハマスはイランから年間100万ドル(約1億1000万円)の支援金を受け取っている。ハマスはそれを地下トンネルや武器に費やしているとグリーンブラット氏も認識している。

www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Greenblatt-slams-Hamass-use-of-Iranian-blood-money-for-terror-540703

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。