再起不能?ハマス反撃なし 2018.7.24

21日金曜、ガザ国境でのハマスとの衝突で、イスラエル兵1人が死亡し、イスラエル軍が空軍と戦車も連動させて、ガザ地区のハマス関連施設60箇所への激しい攻撃を行った。さらに、イスラエルが地上軍投入との情報も流れたことから、ハマスがあわてて、エジプト仲介の停戦に応じたとみられている。

ガザ国境では、その後日曜に、イスラエル軍との短い応酬があったが、それ以来、発火凧もひとつも飛来していない。その後、IDFが、ハマス関連施設の攻撃ビフォー・アフターというクリップを発表。ハマス本部などのすさまじい破壊が伝えられた。

www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/249303

これほどの破壊と打撃を与えたにもかかわらず、ハマス戦闘員4人が死亡したものの、物的被害だけで、民間人に犠牲者が出ていないということは驚きである。イスラエル軍の情報収集、攻撃技術が、4年前よりはかなり進歩しているということである。

停戦宣言から2日、イスラエルは、24日正午、静寂が2日守られたとして、ケレン・ショムロン検問所を部分的に解放し、食料、医療品とガソリンや燃料の搬入を再開すると発表した。

できるだけ人の命を奪わず、武器やその関連施設だけを破壊して、ハマスの能力を無能にする。その上で強さと容赦しないという信念をみせつけつつ、平穏を守るならその見返りはあるという、アメとムチを効果的に使っている。

また、迎撃ミサイルなどを効果的に使って、衝突を「予防」することに力を入れる。味方にも敵にも犠牲者が出ないようにすることが、戦争拡大を防ぐ手立てである。今のイスラエルは、この作戦のようである。

www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5315696,00.html

<ガザ国境で戦死したアビブ・レビ軍曹(20)>

選手末、ガザからの射撃を受けて死亡したイスラエル兵の名前が公表された。アビブ・レビさん(20)あと2週間で21歳になるところで、3カ月後には兵役も終わる予定だった。両親と弟2人が遺族となった。

23日、アビブさんの家族を慰問したリブリン大統領は、「慰めのことばもない。あなた方の子供が私たちを守ってくれた。私たちの治安は、こうした若い兵士たちに完全に依存しているのだ。」と語った。

www.timesofisrael.com/there-can-be-no-consolation-for-your-pain-rivlin-tells-slain-soldiers-family/

<イスラエル軍に志願:軍医37人>

若い兵士たちがいつ戦死するかもわからないのがイスラエル軍である。しかし、最近、特に医師になった若者たちのイスラエル軍志願者が増えているという。23日、イスラエル軍では、新しく加わった数人も含めて37人の若い医師たちが、階級を受け、イスラエル軍医療部隊への配属式が行われた。

www.idf.il/en/minisites/soldiers-of-the-idf/37-doctors-join-the-idf/ 

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。