世界食料危機に備えるイスラエル 2012.12.5

聖書の終末預言をモチーフにした小説、ならびに映画「レフトビハインド」と見た方はあるだろうか。

この小説(映画)では、イスラエル人科学者が、世界の食糧危機を解決する農業技術を開発。その技術を使ってアラブ過激派をおさえ、国連が神殿の丘に第三神殿を建てる許可を出すという設定になっている。

12月4-5日、イスラエルでは、ARO(政府農業研究機関・ボルカニ・センター)が「食糧危機に備える」とした国際カンファレンスを開催。映画が何となく現実味をおびてきたようなので報告する。

<2050年の人口は90億・解決は科学技術だけではない>www.agri.gov.il/en/events/events/927.aspx

アメリカ政府農業省のラムズウェリー教授によると、今から30-40年後の2050年、地上の人口は90億に達する。それに伴い、約10億人は飢餓状態に陥る。地下水が不足し、あと地球が2つあっても飲み水が不足する。

これを解決するのは、科学技術だけではない。社会的、経済的、国際的な問題など、”人間社会の決断”が必要となると警告する。たとえば、農家の収入確保や流通の問題、世界が一つになって協力しなければ解決しないということ。

<イスラエルが貢献する可能性>

イスラエルは、建国する前、まったくの不毛の地に苦労して農業を成功させた。今もかなりの水不足の中、砂漠や砂の多い土壌でも高品質の野菜を作ることに成功している。「イスラエルには世界食料危機に対処する技術がある。世界にこれを知ってもらいたい。」カンファレンスは英語で行われ、インターネットを通じて生中継された。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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